16.魔物退治
「グギャァァァァ゛オオオ……!」
そんな訳で俺達は王都の東の方にやって来ると、そこにはどこかで見た事のあるような花柄の魔物が暴れていた。
そいつは体から生える棘や、伸びるツタを駆使して家を破壊している。しかもまあまあデカい。
「こんなのが暴れているのか!?」
「そうよ、日常茶飯時。あほら、別のパーティーもいるじゃない。」
ミーラが指差した方には、確かに男女二人ずつで構成さえたパーティーがいる。
「うわぁっ!?」
しかし、苦戦しているようだ。
「俺達も行こう!」
「ええ!」
「お兄ちゃん、頑張って……!」
俺が駆け出すと、その花柄の魔物が俺に向かって棘を伸ばしてきた。だから俺は、棘を全部剣で叩き落としてやる。
「ゴギャァァァ!!」
「覚悟しろ!」
そして俺は、花柄の魔物に斬りかかった。
しかし__
「グギャァ!」
「何っ!?」
俺の攻撃は防がれてしまう!
よろけた俺の体を狙って魔物はツタを伸ばして来る。
「まずい……!」
避けようとした時、ふと棘と何か交換出来ないだろうかと考える。
何でもいい、とにかくやってみよう。
「トレード!」
すると、その数秒後に俺の想像していた痛みは訪れることはなかった。
見ると、魔物に巨大な石のハンマーが打ち付けられている!
「棘とハンマーを交換したのね!流石レス!」
「ああ!追撃を頼む!」
雄叫びをあげる魔物に、闇の球が飛ばされる。
「やっと出番が出来たわぁ、貴方強いのね。」
当たった球はバン!と弾けて大きな爆発を引き起こし、その衝撃で魔物は勢い良く倒れる。
そして、俺達の戦いは終わった。
「ありがとう!君達が居なかったら今頃死んでいたよ。」
戦闘が終わると、すぐさまパーティーのリーダーらしき青髪の人物が声を掛けてくる。
「いやいや、別に俺達は大したことをしてない。」
「そんなことない!本当に危なかったんだ、助かったよ。僕達、まだパーティーを結成してから一ヶ月も経っていなくてさ……それであんな魔物に遭遇したもんだから、驚いて。」
「それは災難だったな……もしかして、ギルドに加入しているのか?」
「ああ。でも、まだ最低ランクのDだよ。君達は何ランク?……もしかして、凄く強いからAランクとか!」
キラキラと目を輝かせる青年を見て、俺は思わず固唾を飲み込む。
ここでフリーなんて言ったら、どんな顔をされるのだろう。
「……あ、ああ!そうだ、Aランク。」
「やっぱり!凄いや。そうだ、もし良かったら一緒にギルドに行かない?報告しなきゃいけない__」
会話の最中、ミーラが俺の方に腕を置いてくる。
「ごめんなさいね、ボク。この子はお姉さんと用事があるの。」
「そ、そっか……それはごめん。それなら、僕達は先にギルドに戻ってるよ。また会おう!」
去っていくパーティーの背中を見て、俺はミーラにお礼を言った。
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