12.ダンジョンの危機

 ダンジョンの中は薄暗く、嫌な雰囲気が漂っていた。

アリナは俺の腕にしがみつき、ぷるぷると震えている。


「お兄ちゃん……怖いよぉ……。」

「大丈夫だ、俺が守ってやるからな。」


 俺がそういうと、アリナは少し安心した表情になった。

……相変わらず可愛い。

俺達の様子に、ラミは「シスコンとブラコンね。」と呆れた様子で溜息を吐いた。


 そのまましばらく歩いていると、何やら大きな音が聞こえてくる。


「……何だ?」

「グギャァ!!」


 辺りを見渡した途端、大きなゴブリンが現れ襲いかかってきた!


炎弾丸フレイムレイン!」


驚きよろけた俺の前に出てきたラミは炎魔法を放ち、ゴブリンを倒した。


「油断しちゃダメよ。」

「……ありがとうラミ、助かったよ。」


俺が感謝の言葉を伝えると、ラミは嬉しそうに微笑んだ。そんなやり取りをしていると、俺達の前にの群れが押し寄せてきた。


「おいおい……マジかよ!?」


俺とアリナは身構えるが、ラミは余裕の表情を浮かべている。


「大丈夫、私に任せて!」


そう言うと、彼女は杖を構え詠唱を始めた。


炎嵐ファイヤストーム!」

「ギャアアアア!!」


薄暗かったダンジョンの中は一瞬にして明るくなり、あれだけいた魔物は炎に包まれる。

やっぱりラミはすごい!


「凄いな、ラミ。」

「このくらいなら楽勝。さ、先に進みましょ。」


〜〜〜〜

 そんな訳で、さっきの襲撃でもうオークは居なくなってしまったのか、何事もなく俺達は小さな宝箱が置かれているダンジョンの最深部に到達した。


「あ、宝箱!」


しかし、一つだけ気になる事がある。

ラミの顔がずっと浮かない。

アリナと俺は「オークが来なくて良かった。とかそんな会話をしていたのに、ラミだけはずっと何かを悩んでいるような顔をしている。

いくら星一のダンジョンとは言え気を抜かないのか?


「早速開けてみようよ!」

「ああ。」


 そう言って、アリナが宝箱に手を掛けた瞬間__


「グォオォォォォ!!」


 大きなオークが現れたのだ!

しかも、さっき会ったオークより数倍も大きく、胸には赤い宝石の様な物が付いている。

今までのオークとは何かが違う。そんな事を思っていると、ラミが声を上げる。


「キングオーク……!?なんでこんな所に!?」

「キングオーク?」

「オークの中でトップレベルに強い奴!コイツは本当なら……星八のダンジョンにいる!」

「なんだって!?」


 星八のダンジョンなんて、ラミでも攻略出来ない場所じゃないか!


「とりあえず離れて、ここは私が__きゃっ!?」

「ラミ!」


言い終わる前に、ラミが壁に叩き付けられる!

彼女に近寄ると、横でアリナの悲鳴が聞こえた。


「きゃーっ!!お兄ちゃん、助けてー!!」

「グフ……フフ……。」

「クソっ……!!」


 俺はどうすれば良い?

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