第2話  夢幻ー『常住』

月の隠れた 夜の底 静寂を染める

奈落の色 頬を伝う

色褪せない悲しみ


貴方の

穏やかな仕草

柔らかい声

控えめなアプローチ

不器用な笑顔

柔和な眼差し

温かな頬


息をするように出逢い

悪戯に戯れ 歪さを繋ぎ合わせ

確かめ合うように寄り添った


書きかけの詩

読みかけの小説

叶わない約束

お揃いの指輪


初めて目が合った時の感覚も

最後のその瞬間も


かけがえのない貴方のスベテ

鮮明に 鮮烈に 色鮮やかに

この胸に生きている

だから溢れて零れるこの悲しみは

かけがえのない悲しみ

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詩物語 vanitas vanitatum プロローグ 『夢幻』 00theia @00theia

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