エピローグ
今となっては両親やご近所さん、友人に笑い話としてよく聞かせたり言われたりしている。それほど記憶に残るほどの体験話だったのだ。僕はもう大学生。小学生の頃のようにいろんなものが別のものに見えるなどということはなく、すべてが当たり前のものにみえてしまった。迷ってた道の建物も工事で別の建物になったり閉店していたりと変わっている所があっても時代の流れを感じるだけで、今では普通に道を通る。現実的な思考になったとも言える。なので、子供の頃でしか味わえない体験はもう出来ないのだ。
あの時助けてもらった近所のお兄さんは大学卒業後に上京したが、たまに実家帰りしている。その度にいろいろ話をしてくれるのだが、迷子になったときの僕を思い出せば「雨泣き坊主」と馬鹿にしてくる。腹が立つが自業自得だし、助けてもらったので文句は言えない。あの時の近所のお兄さんのバイト先と僕の今のバイト先が一緒なのは偶然なのかわからないが縁があるようだ。……本音を言うとお姉さんが良かったと思うのは大人になったからかな。
雨が強くなってきた。でも、あの時よりは弱く感じるし、合羽を着ているので別に怖くない。自転車で走っても時間が掛かる道のりだと感じるとあの時は相当歩いていたと思う。昔のことを思い出しながら走っているうちにもう家が目の前だ。今の僕でも現代の子供たちでも味わうことのできないあの体験は僕だけの宝物だ。そう自分で解釈しながら僕は自転車を降りて家の中に入る。いつも通りの日常を過ごす。
とりあえず良い子も悪い子も雨の夜に出歩いたらダメだぞ?
雨降る夜道と少年期 きいろいの@入院などでお休み中 @kiiroino
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