その選択で、本当に主人公になれますか?

 文明社会が崩壊し、人々がシェルターに逃げ込む中、5つのケースで活躍を見せる青年Aの姿がありました。

 彼の行動は人としての正しさを訴えるもので、周囲に影響を与えていきます。まるで主人公のようです。

 それが前編。

 後編では種明かしといいますか、青年Aの行動の是非が問われます。
 主人公に相応しかったか? と。

 彼の視点だと正しい行動をしたはずです。けれど客観的に見るとそれは……。
 なかなか皮肉の効いた結末です。

 作品の方向性は全く違うのですが、スティーブン・キング原作の映画『ミスト』のラストの皮肉さを思い出すのは私だけでしょうか?

 主人公とはなんなのか、ちょっと考えさせてくれる大変面白い短編小説です。
 ぜひご一読くださいませ! 

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