今日は試験日

@mia

第1話

 あと三十分ほどで試験が始まる。

 一年に一度しか受験できない資格試験だ。

 一年半前、毎年の人事異動があった。

 定年退職ではないのに退職した人も多かったし、支店に異動になった人も多かった。会社の派閥がどうのこうので結構大きな人事異動だった。

 私はそんな派閥に関係のない下っ端の会社員だったが、関係のない人事異動の煽りを食らって急な異動が決まった。希望も出していないし興味もなかった部署だったが 会社が決めたことに逆らうこともできずに異動した。

 その移動先の先輩に、試験は難しいが資格があった方がいいと教えてもらい少しずつ勉強した。教材をそろえる臨時の出費は痛かった。

 慣れない仕事と勉強はきつく、四、五ヶ月の勉強期間では無理だった。

 そしてこの一年はじっくり勉強して今日の日を迎えたのだ。

 試験が始まった。問題を読む。ラッキー!! 最近勉強したところが出題されている! 一問目からついている。問題と解いていくと山を張っていたところや先輩から、ここはだいたい毎年出るらしいからと言われたところなど、力を入れて勉強したところが多く出題されていた。

 家に帰ってき自己採点すると合格点以上取れてい。合格通知をもらうまでは安心できないが、まあ大丈夫だろう。ほっとした。

 ほっとしたところで目が覚めた。

 夢、嘘、夢、夢なのか。

 がっかりして、テンションが上がらないまま試験会場へ向かう。

 あと三十分ほどで試験が始まる。試験が始まった。問題を読む。あー、夢は夢だった。

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