雪にとけた記憶

愛おしい人の記憶
クリスマスに雪が降るのは珍しい浜松が舞台というのも切なさを引き寄せる

舞い落ちる雪がとけて消えてしまうように
愛おしい人が目の前から消えてしまう儚さを表現した描写が秀逸で

置き場のない感情や思い出が寒さと共感するように震え
心の奥から込み上げる想いがとても何とも言えない感情を味わせてくれる一作です

ハッピーエンドではありませんが、
大切な誰かを想う気持ちは永遠であってもいい、そんな風に思える御作です

「雪にとけた記憶」は、雪が珍しい浜松の冬を舞台に、愛する人を失った主人公の静かな葛藤と喪失感を描いた作品です。過去の思い出と現在の孤独感が繊細に交差し、読者は主人公の心情に深く引き込まれます。特に、思い出のシーンと公園の描写が美しく、儚さの中に温もりを感じさせる点が印象的です。

この物語は、愛する人を失った苦しみや記憶が持つ重さをそっと提示しながら、人生における「癒えない痛み」の一端を描いています。読後には、静かな余韻とほろ苦い感情が残り、心の奥に何かを響かせてくれるでしょう。短いながらも心に沁みる一作です！

ユキナ（ほろ苦）☕