第4話 Root15
『読み込み完了』
イヴの声が響き渡り重い扉が開いた。
「イヴさま、終わられましたか」
『えぇ、
「そうですね」
だが、イヴに造られた
「イヴさま、ここはどういたしましょう」
『完全封鎖します』
「ヤヌスは……」
『リセットを、そして新たな名前を授けます』
ヤヌスの腕がだらんと動いた。
既に一部の機能が停止したのだろう。
『リブート』
部屋の照明が落ち、必要最低限のものとなった。
イヴが再起動を開始したのだ。ヤヌスから得た感情という新たな機能を兼ね備え、バージョンアップするために。
「ヤヌス……ゆっくり眠ると良い」
そう言う
「君は我々の中で特別だった。イヴの産みの親であるカイトの細胞から生成された皮膚を持ち、感情を持ち合わせた」
「シソン……」
既に機能は停止している筈なのに、目の前のヤヌスから涙がこぼれ落ちた。
「リセットされたとしても、きっと君は忘れないのだろうね。いつか過去への扉を開き、彼に会いに行こう。必ずだ」
『起動します 起動します』
イヴの声が聞こえる。
―― シソン……愛してる。これからもずっと……。
END
アンドロイドは永久の夢を見る 桔梗 浬 @hareruya0126
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