第6話 おばあちゃんの『おくすり』
僕は、おじちゃんとおばちゃんに
『ラムネ菓子』のことを話した。
すると、おばちゃんが……
「おばあちゃんが飲んでいるのは
『ラムネ菓子』でも、それはお医者さんから
勧められたものなの」
「どうして? お菓子がおくすりなの?」
と僕は聞いた。
おばちゃんは、
「『偽薬』と言って、高齢者の薬の飲みすぎや
薬に対する依存を防止するために
勧められたの。
『プラセボ効果』と言って、
『本物の薬』と言って飲んでもらった時に
ある程度の割合で治ってしまうことがあるの。
『薬を飲んだ安心感』が身体に潜む
『自然治癒』の力を引き出している……
と言われている」
「そうなんだ……」と僕は呟いた。
「だから、おばあちゃんの場合は、
『夜によく眠れるおくすり』として、
『ラムネ菓子』飲むと、
おばあちゃんは『安心して』
ぐっすりと眠ることができるの……」
「そうか……おばあちゃんにとっては
ラムネ菓子が一番の『特効薬』なんだね。
そのおかげで、おばあちゃんは元気なんだ」
と僕が言った。
「そうよ……」とおばちゃんが微笑んだ。
今日も、おばあちゃんの家からは
孫たちの賑やかな声が聞こえてくる。
いつもニコやかなおばあちゃんの
部屋の机には、瓶に入れられた
『おばあちゃんのおくすり』が置いてある。
夏休み……
僕が初めて知った
『おばあちゃんのおくすり』。
「おばあちゃん『おくすり』ちゃんと飲んで
いつまでも元気でいてね」
と僕はおばあちゃんに言った。
「わかったよ。ありがとうね」
おばあちゃんは優しく僕に微笑んだ。
~ おばあちゃんのおくすり 完~
おばあちゃんの『おくすり』 由南りさ @yaku7227
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