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概要
『花見月四日 晴れ
オオサンショウウオが日常的に降る国を訪れた。その国ではオオサンショウウオが絶滅危惧種になったため、神様が人間にオオサンショウウオの重要性を教えるために降らせるのだという。降ってきたオオサンショウウオは丁重にもてなし、天へと送り返すのが慣例だそうだ。
おかげで環境への意識が高まったその国では、徐々に植物となる種子を国民に埋めこむ政策をおこなった。任意でおこなった最初の世代は国民の半数以上を占め、以降遺伝していく仕組みらしい。今ではほぼすべての国民が、やがて植物になるという。
「この木はね、私の大切な人なの」
あなたは骨も残さなかった、と幹を愛おしそうになでるその人からは、春爛漫を独り占めする勢いで蔦がのびていた。』
オオサンショウウオが日常的に降る国を訪れた。その国ではオオサンショウウオが絶滅危惧種になったため、神様が人間にオオサンショウウオの重要性を教えるために降らせるのだという。降ってきたオオサンショウウオは丁重にもてなし、天へと送り返すのが慣例だそうだ。
おかげで環境への意識が高まったその国では、徐々に植物となる種子を国民に埋めこむ政策をおこなった。任意でおこなった最初の世代は国民の半数以上を占め、以降遺伝していく仕組みらしい。今ではほぼすべての国民が、やがて植物になるという。
「この木はね、私の大切な人なの」
あなたは骨も残さなかった、と幹を愛おしそうになでるその人からは、春爛漫を独り占めする勢いで蔦がのびていた。』
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