最終話 スタンド・バイ・ミー フォーエバー

 最初は、大冒険気分の桃子でしたが、目的を達成したあと、暇になりました。


 勝手に泊まりに行っておいてなんだけど、おばあちゃん家は遊ぶものが何もない。


 仕方なく三人で歩いて町民プールに行った。


 あとはおじいちゃんの運転する車で山を下りてスーパーに行くと、お菓子、少女漫画雑誌「りぼん」を買う。友だちは「なかよし」「ちゃお」だった。自分のが読み終わると交換して、友だちと少女漫画の恋愛話に花が咲く。小学生で付き合っている同級生もいたけど、三人はもっぱら漫画のイケメン推しです。


 そんな感じで、二泊三日のお泊り会は無事に終わり、桃子の親が車で迎えに来てくれて、帰りました。



 ***



 ※ここからは映画ラストのネタバレです。観たい方は気を付けてくださいね。



 たしか、映画「スタンド・バイ・ミー」のオープニングは、大人の主人公ゴーディに悪い知らせがはいる。子どもの頃、親友だったクリスが、喧嘩の仲裁に入って刺されて、若くして亡くなったことで、少年時代を回顧するところから物語がはじまります。余談ですが、クリス役の俳優リヴァー・フェニックスも二十三歳で亡くなっていますね。


 エンディングでは、ゴーディは町を出て、作家になる夢を叶えました。そして最後に語るのです。


「複雑な家庭環境のなかで仲間との友情を感じた十二歳の頃のような友達は、二度とできることはない――」



 ***



 映画のようなエンディングにするならば、その後のわたしたちはというと――。


 桃子は田舎の町を出て、パート主婦でカクヨム住人です。主人公のゴーディは作家になったけど、桃子の漫画家の夢は叶わず。映画のようにはなりませんね。詳しくは、小六で漫画家の夢をあきらめたエッセイもあります。よかったら読んでみてください。


 幼なじみのアヤちゃんは、高校の時に大失恋をして、そこから親に薦められ宗教にはまり、会うたび勧誘してくるので、だんだん会わなくなりました。その後、同じく宗教二世の方と結婚して、遠くに住んでいます。


 カナちゃんとは社会人になってから、街で偶然会って、少しだけ話をした。異母姉は結婚して子どもがいるそうです。カナちゃんは地元の会社で働いていると言っていたような。それから会っていない。


 お世話になった祖父母は九十代で亡くなりました。


 祖父母の親戚が関東に住んでいるため、おばあちゃん家が人手に渡ると、お墓参りの時に家に寄ることもできなくなりました。


 のどかな時間が流れる里山風景。松の木に囲まれた小さな池がある苔の生えた石庭。縁側と障子のある昔ながらの日本家屋。走れるほどの長い廊下に畳の匂い。大きな仏壇。古いボンボン時計。


 畑にたくさん野菜を栽培していたので、採れたての野菜が一番美味しいこと、田植えや稲刈りを学び、育ちました。



 友だちとは、会わなくなってしまったけれど

 あの夏は宝石のようなキラキラと眩しい大切な思い出だ。

「スタンド・バイ・ミー」と共に、永遠です。




                おしまい





 最後まで読んでくださって、ありがとうございました。ヾ(≧▽≦)ノ


 父の遺品を整理していたら、写真が出てきて、それで思い出したので、忘れないうちに書いてみました。


 あらためて思い返すと、ちび桃子🍑は酷い子ですね。下手したら大惨事。ゾッとします😱💦 良い子も悪い子もマネしないでね(; ・`д・´)圧強め。大人になってから人を巻き込むことはやめました。今も冒険は大好物です~♫

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子どもの頃の大冒険(スタンド・バイ・ミー♫編) 青木桃子 @etsuko15

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