へえ-、未来屋環先生、ユーチューブに出ていたとは驚きですね。

この、未来屋先生のフランス人ラノベ作家との、インタビュー記事は、初めて聞きました。

元々、未来屋先生とは、面識は無いとは言え、かって「小説家になろう」と言うサイトで、知り合った作家先生で、その純文学的に研ぎ澄まされた文章や作風に、一目も二目を置いていましたので。

御本人のプロフイールにも「いつか作家になりたい……」と書いてあって、いわゆる普通の作家さんとは、少々、心構えと言うか決意が違うとの感じは、受けていましたが、このエッセイを読んで見て、謎の部分の一部が若干解けて、この私の心の中に染み込んで来た感じがしました。

「なろう」にしろ「カクヨム」にしろ、馬に食わせる程小説が載っていますが、その中身は玉石混交で、全てラノベだと割切れば成る程と読み切れますが、果たしてどうなのだろうと思う作品も多いのです。
かくいうこの私自身、「あざとい題名」で読者を吊っている、詐欺みたいな小説ばっかりです。

特に、未来屋先生のこのエッセイで、ああ流石だなあと、感心した事があります。

それは、未来屋先生が、「川端康成」先生の研究をしていて、フランス人の方に、『伊豆の踊子』の話を勧めており、ここで踊り子の年齢をハッキリ14歳だと書いておられる事なのです。

私は、実は、「川端康成」先生の小説は読んだ事が有りません。
多分、読者の皆さんも、『伊豆の踊子』は、映画(山口百恵さんも確か出演した筈です)等で、見られた事のほうが多いのでは?
問題は、この『伊豆の踊子』は、「川端康成」先生が、一高時代に神経衰弱に罹り、転地療法のつもりで伊豆へ旅行し、その途中で出逢った「踊り子」の一団と出会うのですが、多分小説上のイメージでは、「踊り子」の年齢を、16歳か17歳程度に書いている筈です。しかし、実際に、お風呂上がりの「踊り子」を見て14歳程度だと分かったものの、あまりに若いと今で言うロリコンと間違われるのを危惧して、若干、年齢をごまかして書いたと、今年、ウイキペディアで知ったところです。

未来屋先生の、小説の原点の一つが、かいま見えた部分です。

とまれ、このエッセイは、実話であり、非常に説得力があり、読んでいて面白いのです。

未来屋先生の作品への入門として、強く、お勧め致します。