異世界人が普通に暮らす近未来の日本、警察に新設された対魔術特殊部隊へと主人公伊織は入隊します。配属された第二係は曲者揃い。伊織はエルフとバディを組まされますが、このエルフが怠惰で全然やる気がなく、生真面目な伊織と毎日ケンカが絶えないのだった──
と、物語のあらすじをなぞるだけでもう面白臭がプンプンしています。
気の合わない者同士がバディを組むという刑事もののプロットはありがちですが、それが名作となるか駄作となるかの分かれ目はやはり、バディ二人の掛け合いの面白さでしょう。この作品では片方がエルフという特殊設定がまず面白いですし、それを差っ引いても二人の熱量の高低差の大きい掛け合いは耳がキーンとなるくらい面白いです。
さらに面白い刑事ものといったらやはり犯人が逮捕された時のカタルシスではないでしょうか。そこに至るためには犯人像もある程度深掘りされなければならず、こちらの作品でもそこもしっかりと描かれています。加えて、犯人は異世界人なので当然そのバックボーンは異世界なわけで、そこにファンタジー要素も上乗せされます。
犯罪捜査ミステリー、異世界ファンタジー、魔法バトルアクション、本作にはそんな面白要素が詰まっています!
異世界からやってきた“やる気低め”なエルフ・ミノルと、使命感に燃える超真面目な女性隊員・伊織。この対照的な二人が織りなす物語は、笑いと深いテーマが巧みに絡み合い、読んでいると次第に引き込まれていきます。ミノルは普段、怠け者としてダラダラとした生活を送っていますが、いざという時には驚異的な魔術で仲間を救う姿が印象的。その飄々とした態度とのギャップが魅力的で、まるで掴みどころのない風のように、知らぬ間に周囲を動かしてしまう存在感を放っています。
一方の伊織は、幼い頃に異世界の悪魔族に家族を奪われた過去を抱え、強い使命感と正義感を持って日々任務に当たっています。そんな彼女が、ふざけた態度を崩さないミノルに振り回されながらも、少しずつ信頼を築いていく様子が見どころです。シリアスな場面とコミカルなやり取りのバランスが絶妙で、思わず微笑んでしまう場面が多くあります。読んでいると、彼らの葛藤や変化に自然と共感し、応援したくなる気持ちが湧いてきます。
現代社会の疲れた心に、そっと「力を抜くことも時には大切だよ」と語りかけてくれるこの作品。笑いあり、熱いバトルありの展開で、読後にはほのかな温かさが心に残る、そんな魅力的な一作です。
異世界人に父を殺された少女、伊織。
彼女は長じて退魔術特殊部隊に入隊する。
その動機はもちろん父の敵討ちのためだ。
……と、ここまで読むとハードなバトルものを想像すると思いますが、その予想は半分だけ当たっています。
そう、バトルシーンがとにかくかっこよくハイレベルなんです!
物理もあれば魔法もあり、そのシーンが目に浮かぶよう!
そして残りの半分は、真面目で男勝りな伊織と、とにかくぐーたら、マイペースなエルフとの楽しい掛け合いです。
エルフの田中実さん(だってほんとにそういう名前なんですもん!w)のダメダメな感じがあるあるでとってもおもしろい。
他にも上司を始めとする、個性豊かなキャラクターたちが登場します。
ハードな部分とライトな部分、いっぺんに両方楽しめてしまう稀有な作品。
どうぞご一読を!
異世界人への復讐に燃える、伊織。
しかし、人間の力だけでは対抗できない。
やむなく、転生者とバディを組むのですが、相棒のエルフは、怠惰で頼りない。
1人で突っ走る姿に、「これは、ど根性で格闘する物語になるのか!?」と最初は思いました。
すると、その怠惰エルフが、伊織の部屋に転がり込んできます。
これまで格闘一筋で生きてきたため、無自覚で翻弄される伊織。
あれ? これはラブコメなのか?
そして始まる、大聖堂での戦い。
伊織の奮戦、魔蝕剣の煌めき、苦闘のはてに「相棒最強」タグが炸裂します。
一粒で、二度も三度も美味しいといいますか、
笑いと、スリルと、ぐっと感動する部分が、いろいろ詰まってます。
まずはぜひ、24話まで、読み進めてください。
この作品の奥深さが感じられると思います。面白いです。
主人公は復讐のために「持てる時間の全てを殺人術の習得」に費やした影響か、男勝りな性格で社交面で未熟な部分が多く見られる。
そんな彼女が所属するのは異世界人が引き起こす犯罪に対処する「対魔術特殊部隊」と呼ばれる警察組織。
そこでは異世界人とコンビを組むのだが、いかんせん人生の全てを殺人術に費やしてきた彼女はコンビ相手はもちろんのこと、上司、上司の相棒の異世界人、刑事の人等ほとんどの人と衝突していく。
しかし、事件に対処していく中で、経験する自分の非力さには正面から向き合い、上司のアドバイスもしっかりと覚えていたりする真面目なところに、今後どう成長していくのかの期待が膨らみます!
組織で動いている以上人との関わりは避けられないので、これから彼女がどのように周りの人と信頼関係を築いていくのか楽しみです!
また、2つ目の事件終盤では彼女にとって大きな挫折を味わうのですが、そこからの奮起も胸熱くなる展開で、見どころです!
そんな彼女の成長をこれからも追い続けていきたいです!
ちなみにひとこと紹介の意味は読めばわかります笑
主人公・月島伊織は自分でも自覚するほどの真面目で有能な、警視庁対魔術特殊部隊の若き警官であるが、魔術を使う異世界人の凶悪犯を殲滅するための、共に戦う相棒は田中ミノルというヘラヘラで不真面目なエルフだった。
伊織の真面目さは父を異世界人に殺され、その仇を討つためが理由だった。しかし、その相棒に選ばれたミノルは時間が空けばつけ麺屋に行き、女性好きで勤務態度も不真面目。そんな彼と伊織は仲良くできるはずもなく、お互いを「合わない」と思っていたが――
感想:異世界から異形の者たちが大勢がやってきて普通に日本で暮らしているという世界設定がもうおもしろい。
伊織はかたき討ちのために努力して来て自信があるために、ベテランの上司やその相棒にまで突っかかるトゲトゲしい性格ではあるが、お酒を飲むと本音が出てかわいい。
酔った勢いでミノルと同棲をすることになり、ブーブー言いながらもミノルのペースに少しずつ乗せられていくところを見ると、伊織は父の事件がなければ本当は素直で優しい子だったのかもしれない。
また、上司の鈴木も話しているうちにだんだん味が出て来るし、伊織も自分の力不足なところは認められるようになり周囲に馴染んでくる感じがとても良い。
オススメです👮
異世界人と人間が共存する世界。異世界人に父を殺された過去を持つ伊織は、復讐を遂げるべく凶悪犯罪を起こす異世界人たちを取り締まる組織、対魔術特殊部隊に入隊する。入隊試験も純粋な実力で合格した優秀すぎる彼女と組むことになった異世界人は、色んな意味でだらしないヒモ的なエルフだった。
第一印象は最悪(特に伊織ちゃん→エルフ)で、伊織ちゃんのエルフくんに対する意識や言動はきっついですが、なんだかんだ世話を焼いているところが微笑ましいです。過去が過去なだけに異世界人を嫌っている彼女なので歩み寄るのは難しいでしょうが、彼には少しずつ心を許してほしいな、と思ったりします。
このふたりの掛け合いが楽しくてニヨニヨします。くっついてほしい……(勝手な願望)