第26話 北の洞窟


その後も何度かモンスターと遭遇し、僕たちは洞窟の入り口の前に辿り着いた。


『ここがカンブリア帝国北の洞窟だ。準備はいいかお前ら?』


『もちろん。ここまでオレ達は何もしてないしな。おっさんこそ大丈夫か?』


『ここに来るまでに出たモンスターは雑魚だ。全く問題ない』


『雑魚、、、』


僕らにとっては未知なモンスターも、カマラさんにとっては雑魚らしい。


『ここからが本番だぞ。この中のモンスターはオレでも1人では苦戦するようなヤツが出てくる。オレが危ないと思った時は迷わず回復してくれ』


『わ、わかりました!!』


『頼むな。よし行くか』


『はい!!』


洞窟の中に入ると、中は暗く奥は見えない。

その暗闇に吸い込まれそうで、ゾクッとした。


カマラさんはタイマツを取り出し、そこに火打ち石で火をつけた。

火の着いたタイマツをタルボに手渡した。


『お前達は常に壁を背に貼り付けて移動しろ。そしてタルボっつったか?お前は出来る限り明かりはオレを照らせ。特に戦闘時はな』


『わかったよ』


『よし。お前の方は常にオレを回復できるようにしとけよ』


『は、はい!!』


『じゃあ少し中へ行くぞ』


そう言って歩き出した。

すると、、、


『マジックバットか』


そう言ってカマラは大きくジャンプし、コウモリのような姿をした魔物3匹に、回し蹴りを放った。


キラキラキラキラ*

キラキラキラキラ*

キラキラキラキラ*


3匹とも一撃で息絶えた。


これは、、、カマラさん1人でも来れたんじゃないか?

タイマツで明かりを照らすタルボはともかく、僕の回復が必要になるとは思えない。


カマラさんは宝石を拾うと、すぐにまた歩き出した。


『次はアイスリザードか』


そう言ってカマラはまた走り出す。

カマラが向かうその方向にはトカゲのモンスターが2匹いた。


『ハッ!!』


カマラから繰り出されたパンチは、1匹のモンスターに命中した。


キラキラキラキラ*


『マズイ!!』


『カァァァァァ』


残ったもう1匹のモンスターがカマラに向かって氷の息を吐く。


『うおっ!!』


カマラは氷の息をモロにくらった!!


『カマラさん!!!!』


『やりやがったなクソッタレ!!』


カマラは飛び膝蹴りを繰り出し、モンスターに命中!!


キラキラキラキラ*


『ふぅ。』


『おっさん大丈夫か?』


『大丈夫だ。だが次に備えて回復しておきたい。頼めるか?』


『わ、わかりました!!えっと、、、』


カリスはカマラに向けて【初級回復魔法】を使用した。


『サンキューな。これでまた戦える。次行くぞ』


そして次々とモンスターを倒していった。

カマラが傷つく度に初級回復魔法をかけるカリス。

そして、、、


『カマラさん!!僕のМPがもう無くなりそうです』


『そうか。じゃあ今日はこれくらいにしとくか』


『宿代は大丈夫そうですか?』


『ん?そうだなぁ。ツケは全部払えそうだな。お前らのレベルはどうだ?少しは上がったか?』


そう言われ、僕とタルボはステータスを確認する。


『あ!!レベルが3も上がってる!!レベル5からはぜんぜん上がらなかったのに』


『オレもだ!!』


『それは弱いヤツばっか倒してたからだな。弱いモンスターは経験値もそれに見合っただけ低い』


『なるほど』


『敵が強いほど、パーティーの人数が少ないほど経験値は自分に多く入るからな』


『これからどうしますか?』


『そうだな。もう少し戦えるが、回復がないのは危険だな。今日はそろそろ帰るか』


『はい』


こうして北の洞窟での狩りを終え、3人はカンブリア帝国へと戻っていった。


ステータス


名前 カリス

レベル 8

HP 89

МP 42

性別 男性

種族 人間

職業 【勇者】

スキル 気合い溜め

魔法 初級回復魔法

攻撃力 31

防御力 22

力   21

身の守り20

体力  48

素早さ 26

賢さ  25

運の良さ8


装備

銅の剣 攻撃力+10

布の服 防御力+2



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2024年12月26日 00:00
2024年12月27日 00:00

勇者だからって魔王軍討伐に駆り出されるのはどうかと思う。。。 ジンメイ @0376mj

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