第2話陰キャと異世界
「ど、どこなんだ、ここは。俺は確か車にひかれて血だらけに、、、」
自分の体を見てみると血どころか傷跡すら無い。
「どうなっているんだ」
周りを見てみると、見たこともない果物がなっている木や青いナメクジのような生物がいた。
「これが俗に言う異世界ってやつか、、、?」
異世界系アニメなら何度も見たことがあるし、面白くて2周したものだってある。そしてこの景色はそのアニメで見た景色と少し似ていた。そんなことを考えていると草むらから大きなスライムが現れた。
「なんだこいつは!こ、こういうときはだいたいスキルとかがあって倒すやつだ!」
そう思ってスキルを確認しようとしたけど確認の仕方がわからないし、そもそもスキルを持っているかもわからない。
「や、やばい!スライムがこっちに来る!」
「こんなことで俺の新しい人生が終わるのか、、、い、嫌だ!せっかく異世界に来たんだ」、とあのアニメの主人公は言っていたな。でも俺はそうじゃない。自分にはどうせそんな力はないし、こういう理不尽な場面だって現実で何度も出会って来た。だから分かるのだ。こういうのは諦めるのが一番だと。そうして諦めたときスライムは俺に見向きもせず俺の真横を通っていった。
「な、なんだ。何もしないじゃないか、、、」
諦めるのが一番とか言いつつ、本当はめっちゃ怖かった。というかここのスライムは敵対しないのか?アニメだとスライムは毎回敵役なはずなのに。
「なんだ、案外スライムもかわいいじゃねえか。」
そう思ってスライムに触ってみると驚いてスライムが噛みついてきた。
「な、なんだ!こいつ」
さっきまではなんともなかったのに急に噛み付いて来やがって、と、とりあえず逃げろ!
「はあ、はあここまでこればとりあえず撒いただろう。」
あいつは何だったんだ。急に噛み付いて来やがって。まるで俺の存在に気が付いていなかったみたいに急に態度を変えやがって。クソが、異世界に来てまで陰キャをバカにしてくるのかよ。
陰キャが異世界で無双します。 @ihuyun
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