しかし、しかし。いまいま、はじまる、とある作者のお話

明鏡止水

第1話 とある作者と大勢と

あるところに、自分の障害や症状をカミングアウトしながらも、生と死に対して素晴らしい小説や、エッセイを書く、作者がいたのです。


しかし、その作者は、現実との気持ちの折り合いのつけ方として、ある日、アカウントを消してしまったのです。


しかし、作者はもう一度、そのアプリに現れて。作品を発表しました。


しかし、現実は厳しいものでした。作者は、もう、見る人の気持ちをアップダウンさせるような、影響を与え過ぎてしまう作風のものは書かない、と宣言したのです。


持ち味、といえば、どうなのでしょう。作者も本当は、あるいは少しだけ、自由におしゃべりしたいでしょうに。


ある日。作者にとあるコメントが届きました。前と同じように活動できないなら自然と先細っていくだろう。


作者は、コメントをもらえたことに感謝の意を示しつつ、内心、その通りだと思いました。


自分の、稀に警告や削除に遭ってしまう作品が、自分の魂の発露だったのに。これではもう。


書けない……。


書けないのです……。


作者は作者をやめて、どこか遠くへ、いきました。


読者の一部は祈り続けています。


あなたが、いてくれればいい。


ほんとうは、


あなたのかいたものが、


よみたい。

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しかし、しかし。いまいま、はじまる、とある作者のお話 明鏡止水 @miuraharuma30

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