最終話 勇者、まだ気付かない
「――っていうことがあってさあ」
「大変でしたね、アッシュさん」
帝国に現れた魔王を倒し、王国に帰ってきた俺は魔王討伐の大金を使って一ヶ月ほど『女神の安息日』に入り浸っていた。
あ、指名したのは当然ティアラちゃんだ。
俺の武勇伝に相槌を打ちながら聞いてくれるのでこちらとしても話していて気分がいい。
で、話を戻すが。
魔王を討伐した勇者には勇者を管理する教会から莫大な褒賞金が与えられる。
しかし、俺はレティシアを追放した件で教会との関係が険悪になっていたため、褒賞金を少額にされかけたのだが……。
そこでツクヨが待ったをかけた。
俺が仕留めた魔王はツクヨ、デューク、ライサスの帝国が有する三勇者が揃っていても勝てなかっただろうと、俺をヨイショしたのだ。
最後には教会側も渋々ながら俺に莫大な褒賞金を支払ってきた。
問題はその後である。
『アッシュ殿。どうか先日のご無礼をお許しください』
ツクヨは俺に土下座し、許しを乞うてきた。
即座に魔王との戦闘に入った俺と違って何もできなかったことを後悔しているとか。
その結果――
「ふっ、ふっ、ふっ、し、師匠、スクワットは後何回やればいいのでしょうか!?」
「んー。取り敢えず俺とティアラちゃんが一発やるまでな」
そう。
ツクヨは俺を師匠と仰ぎ、強くなりたいと言って弟子入りしてきたのだ。
まあ、美人だし断る理由はないよな。
こうして常に連れ回しており、激しい運動を薄着でやらせている。
わざわざ薄着にさせたのはその方がエロいからだ。
ツクヨ、実は晒しを巻いていて巨乳だった。
初めて見た時はびっくりしたね。凛々しい顔して巨乳とかけしからん。
弟子にしたその日に美味しくいただきました。
『し、師匠、これで本当に私は強くなれるのですか?』
『おう、なるなる。俺の次に最強にしてなるよ』
と、言っただけである。
まあ、抱いた以上は本気で面倒は見てやるし、嘘は言っていない。
ツクヨがスクワットする度に「ぶるんっ♡」と揺れるおっぱいを見ながらニヤニヤしていると、ティアラちゃんが頬を膨らませた。
「もぉ、アッシュさん。私がいるのに他の女の子まで連れ込んで」
「へへへ、ごめんごめん。一番はティアラちゃんだからさ」
「本当に私が一番?」
「もちろん!! じゃなきゃ一ヶ月もティアラちゃんを独り占めしたりしないって!! ……ホントは一年くらいちゃんを独り占めできそうな金額をもらったんだが、ダチに止められてな……」
「一年ぶっ通しでエッチは流石にしんどいからなぁ……」
「ん? 何か言ったか?」
ボソッとティアラちゃんが何か言ったような気がしたが、ツクヨの揺れるおっぱいを見ていて分からなかった。
それが機嫌を損ねてしまったのか、ティアラちゃんがムッとしながら言う。
「ちょっとくらい気付いてくれたっていいじゃん」
「え?」
「……何でもないですよ? ほら、アッシュさん。早くエッチしましょ?」
一瞬。
本当に一瞬だったが、ティアラちゃんがティオに見えてしまった。
……いや、気のせいだな!! 性別が違うし!!
俺は細かい疑問などすぐに忘れて、ティアラちゃんと一ヶ月ヤりまくった。
あ、そうそう。
ツクヨの仲間だったレティシア、クロナ、ルーファについて。
あの三人はイヴの下っ端として働かせている。
イヴは根っからのいじめっ子気質なのか、ティオにしていた程ではないが、日々マウントを取りまくっていた。
今の三人の主であるツクヨが俺を師匠と呼び慕っているからな。
俺の命令には逆らえないのだ。
ティオもあの三人のことは特に気にしてないみたいだし、近いうちに抱こうと思っている。
でもまあ、取り敢えず今はティアラちゃんに集中だ!!
―――――――――――――――――――――
あとがき
どうでもいい小話
作者「個人的には気付かないまま終わらせたかった。異論は認める」
ア「何の話だ?」
作者「新作『やられ役の牢番が囚われヒロインに優しくしたらシナリオがぶっ壊れてしまったんだが。』も時間のある方はどうぞ」
「ティオかわいい」「あとがきでも気付いてなくて草」「新作読むで!!」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
俺の幼馴染みを追放したがっている奴らを勇者特権で追放してみたw ナガワ ヒイロ @igana0510
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