中華風ファンタジーが丁寧かつ精緻な筆致で読ませる文章です
- ★★★ Excellent!!!
陽皇国最北端の丹省に立ちはだかる白仙山には秘密があった。
体格に恵まれた蚩尤と雷堂は、武官となる武科挙ではなく、文官である官吏となる科挙を目指していた。
それがふたりの目指す道への第一歩となるからだ。
さまざまな経験を経て、丹省で地歩を固めた蚩尤と雷堂は、重要な任務を任される。
果たして、ふたりは任務を無事に果たせるのか。
そしてふたりの大望は実現できるのか。
重厚な中華風ファンタジーは、さらに深い謎を築きながら物語の奥へと読み手を誘います。
中華風に限らずファンタジーでは常識ですが、貴族の爵位の上下は上から「公侯伯子男」となっております。「公爵」は王の直下で、「男爵」は騎士が最初に授かる爵位です。本作もそこを把握していると、人間関係が頭に入りやすくなりますよ。
ぜひ緻密で質の高い描写で織りなされる物語にご期待くださいませ。