画角編後編(CHAPTER7最終回そして):問いをもつべき世界
映像で何度も見た
三人はケンカと心霊スポットめぐりのため本当に消滅した場所を訪れていた。
「ってなんで俺まで」
「お前にジャッジしてもらえへんと
そういうことじゃないじゃん!
案の定
さすがにすぐにケンカを始められる状態ではなく、子供のようにこの地を調べていた。
いや子供ではないか。
勝手に入ってしまったこの場所ですぐにケンカしたくても
「引き戻された時のこと考えてへんやろな?
「てめえら知名度のあるファイターを殴れるんだ。そんなこと思うわけねえよ。ただしさっきから気になってる」
おーい。
「へえ。勝手にこんなところまで来るやつらがいるとは」
三人は
それでも筋肉質で年齢は自分達と変わらない20代前半か19歳前後。
オシャレもしっかりしている。
「お前。まさか若くして格闘技から引退した
久しぶりに聞く名前だ。
もっとも
「やっと会えたぜ。同じ格闘技界に疑問を持つ者が」
ある意味で伝説を残した彼がこんな所でサバイバルを行うのも無理はないか。
SNSが
人口が減っていく現実は加速していくだけ。
「ところで
このサバイバルのなれよう。
収入源はどこにあるんだ?
下世話なことばかり気になり三人はケンカ所ではなくなった。
平たんで霧ばかりの奥へ進むとそこには何らかの門があった。
「誰かがここで
そんな馬鹿な。
急に意味不明なファンタジーが押し寄せてるなんて。
「
三人はそこまで
「お前たちがなんのためにここに来たのか知らないが消えてもらおうか。現役ファイターでそのうち二人は名があるし強さもある。邪魔だ」
門の力なのか
「俺にはおまえらを殺す
⎯⎯⎯この世界は見られている
どこへ行っても地獄ならせめて人が少ない場所を。
引退してから
かといった
そんな時。
ニュースにはならなかったがおそらく俺が住むには一番
すぐに
そこにはゲームで見るような門が開かれていた。
まがまがしい不気味な空間。
そこで俺は欲しいものを手に入れ、ここで過ごすことに決めた。
もう少し環境が整ったら家族でもつくるつもりだった。
このまま他の連中に見つからないように
プロファイターが
持ってないやつもいるからな。
筋肉を見ればすぐに分かるから。
門を調べているうちに誰かが悪魔を倒してくれた過去を見た。
ここを
まあいい。
門の
こんな生活もいつまでも続かない。
それだけはちゃんと考えていた。
いつでも戦ってやる。
人間達と。
格闘家をやったあとだと『
やってきた三人のうち二人は人気興行に出ていることは知っていた。
ここで消してやるか。
拳の骨をならして
⎯⎯⎯たとえ名前は知られていなくても
だから
今は三人で協力して
「もし団体が同じで俺が現役だったら階級的に戦ったかもな」
「
しかも
「一人で三人を相手するわけないだろ?」
それは正しい。
「俺はあの二人が大嫌いだ」
「なら知名度がないもの同士、俺と組まないか?」
「こんなクソみたいな世界をどうにかするなんて一人じゃどうにもならない。でも俺一人で
そして仲間達も
今は
いい気味だ。
俺を
「
「お前みたいに空間の存在を知って住んでみたり?とか、か。は、はっはっはっはっは」
「何がおかしい?」
「知名度がなくてもお前はもうちょっとあがいてここでサバイバルしていると思ってた。それが全部たまたまで他の
ずるいんだよ。
どいつもこいつも。
そして
しかし
「へえ。全てが空間だよりじゃないのか」
「20歳にもなってこんなことは言いたくなかった。俺もお前らがのうのうと現役ファイターとして戦っている姿をみていつかやり返したかった。だからここでお前らは死ぬんだよ! 封鎖している連中は全て事故として片付けるかもしれない。こんな
もうあの二人のことなんてどうでも良くなった。
無いものをねだった者同士として戦い続けてやる!
傷の手当てはしなくても空間が
まるでどちらかが倒れるまで願ってるように。
「俺たちまだまだガキだな」
「そもそもお前らがここに来なければ助かった命だ。ガキではなくてお前らがバカなだけだろ!」
ケンカする相手を
いいんだ。
リングも団体もちがう相手をなぐってもなんのメリットもなかったし。
しかも
同じ
二人はただ戦いを続けていた。
なぐり合い、
*
「
「そのつもりだ。くっ! そもそも
すると目の前には見覚えのある人間が。
いや、もう一人は……。
「
二人は無言で辺りにいた倒しても死なない生き物たちをとばした。
「すげえ。一瞬で」
「お前死んだんやないかい!!」
「悪いな。死んではいるんだ」
「相変わらず俺の前では関西弁使わへんし
っていまそんなこと言っている場合か!
するとリングネーム・
「
一体何が起こっているんだ。
コノセカイハ
イツモ
ダレカニ……
「な、なんだ? 今のは?」
「契約していなくても声に気がつけるのか。ならもうここは本格的に危ないな」
何が危ないんだ?
しかもさっきの声はまるで水槽をながめる人間のようじゃなかったか?
ながめている人間が泳ぐ魚をバカにするような。
「ここに残っている人達を帰す。
辺りを封鎖している関係者達はそのままで」
「
「はぁ、はぁ、はぁ」
どこかで殴りあっていた二人も
「く、車ごと持ってこれるのかよ」
「ちっ。死んでも恩を着せられるのかよ」
「消えた都市の今後はお見せできない。俺たちは俺たちでこの世界で生きていく」
「あそこの二人にも伝えて欲しい。もう
「はは。何が何やらさっぱりや。けど俺達は余計な副業せん方がいいかもな」
「強さと知名度に助けられたってことで。でもあそこの二人は?」
「放っておけ。さあ、帰るで」
状況の整理がさっぱりだ。
それにあの声は?
空間ってやつの声か。
悩みが増える一方で無事に帰れたことだけは心の中であの二人に感謝した。
悔しいことには変わらないけど。
一体、今後どうなっていくのだろうか。
俺達も。
⎯⎯⎯エピローグ・消滅する未来と戦うしかない現在
それも解決し、
「
「かんちがいするなよ。これもただの
ったく。
結局なぐり合いなんて
俺はもう誰にも笑わせない!
もし他にも空間があるのなら。
結局なんらかのメリットを考えてしまう。
それに俺だけだったのだろうか?
あの時に見た空間からは何かを感じた。
まるで試合時に観客から見られているような別の世界からの視線を。
だとしたらいつかそっちへいってぶん殴ってやるよ。
誰の人生も
あの視線達。
今に見ていろよ。
お前ら!
出遅れたメタバース。
まさか……な。
《了》
CHAPTER 7 釣ール @pixixy1O
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