第5話解決
石神は語り始めた。
「食堂車両で鈴木とお茶を飲み、私は隙を見て彼の紅茶に睡眠薬を混ぜました。そして、4号車に乗る彼の隣に座り、カリウムを静脈注射して、殺害しました」
「先生、カメラを奪いましたね?何が写っているんですか?」
「……」
「ま、相手は私立探偵です。想像は付きますが」
「浮気がバレたら、病院に居られなくなる。カミさんの父親が理事長の病院でね。理事長は私を徹底的に潰すでしょうから、仕方なく鈴木を殺害しました」
「ま、後は警察で自供して下さい」
【間もなく、終点名古屋です】
と、アナウンスが流れた。
「先生、40分間に合いませんでしたね。残念でした」
「私の不運は、仙岩寺さんが私の隣の座席に着いて、弁当箱を結んだ事です」
「仕方ありませんね」
特急は名古屋駅で到着した。
警察がどっと流れこんだ。
「仙岩寺先生」
「あ、黒井川警部。犯人はこの人。自白したから連れて行っていいよ」
「はい」
黒井川は石神に手錠をして、コートで腕を隠し、2人の警察官が連行して行った。
「仙岩寺先生、また、事件解決でしたか」
「たまたまです。九州の事件の方が難しかったよ」
「じゃ、今から現場検証やら忙しいんで、また。今度、飲みましょ?良い酒が手にはいったんです」
「それは、楽しみですな」
仙岩寺は駅へ降り立つと、喫煙所でタバコを吸った。
事件に夢中で、タバコを忘れていた。
そして、居酒屋の暖簾をくぐった。
仙岩寺は夜更けまで飲んだのであった。
終
特急なごや殺人事件 羽弦トリス @September-0919
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