ハロとウィンの活動記
暗黒神ゼブラ
ハロとウィンの活動記
ある路地裏に『パンプキンデイズ』という兄である兄のウィンと弟のハロの二人で切り盛りしているよろず屋がある。
そしてこのよろず屋には少し秘密がある
今回はハロウィンでの一日を紹介しようと思います
依頼人は幼馴染のカネチカそして依頼内容は『近所の公民館で子供会がハロウィンイベントを開催するからそのために子供たちに配るお菓子を集めてくれ』というもの
カネチカは「俺も一緒に買いに行くから」と言っていたからハロと三人で近くのスーパーに向かった
「ねえ兄さん子供たちが喜んでくれるお菓子ってなんだろう? 僕だったらやっぱりカボチャクッキーとか!! いやいやでも、チョコクッキーも捨てがたい……あぁでもいちごクッキーも……」
するとカネチカが
「ハロはいつもクッキーのことになると楽しそうだな……俺もなにか夢中になれるものがあればなぁ」
そう言ったカネチカの顔はどこか寂しげだった。
俺はとっさに
「なあカネチカ俺たちに出来ることがあれば言ってくれよ!! さすがになんでもってわけにはいかないが出来る限りのことはする!! よろず屋なのに不甲斐ないとは思っている。だかは悔いがあるなら…………」
「兄さんそこまで、これ以上は言っちゃだめ。いつも言ってるでしょ僕たちが出来ることは依頼人の依頼をこなすこと。詮索をしちゃダメ……いくら親友でも……だから言ってくれるまで待とう」
ハロが俺のことを心配そうに見つめている。
カネチカは「別に良いって俺はウィンとハロ、お前たち二人と一緒に居られればそれだけでいいんだ……さっ、お菓子を買うぞ!! ちなみに買うお菓子の種類はそうだなぁ…………おっと危ない危ないそもそも俺予算言ってなかったな。予算は保護者さんたちからの集金で集めた五万だ。俺が選ぶお菓子は……知育菓子を買おうかな、これならみんなで楽しく作った思い出と美味しいって思い出二つが作れるだろ」
俺はハロにいつも通り提案した
「ハロいつも通り周囲の人に幻を見せてくれ」
「分かった兄さん」
俺とハロは半人半霊ということもあり現世と常世を行き来出来る。
ハロは特に幻を見せるのが得意
一般の人からすれば突然お菓子が浮いたことになる。
いわゆるポルターガイストだ。
なぜなら……もう、カネチカは死んでいるからだ。
よろず屋パンプキンデイズを見つけることが出てるのは現世に未練を残した死者のみ。
そして俺とハロはその未練を残した死者の未練を断ち切り成仏させるのが俺たちの仕事
本当はカネチカには見つけてほしくなかった
それでもカネチカに未練があるのなら俺たちはその未練を断ち切るだけ。
だから今は依頼をこなしてカネチカに成仏してもらう
俺たち三人はその後子供会のイベントのお菓子を買い、会場に向かっている時カネチカから告白があった。
「あのな二人とも……もう気づいてると思うが、俺な……死んじまったんだ。昔ウィンとハロがお店してるって言ってたが生きてる時見つけられなかったから……見つけてみたいって思ってな……それもあるが本当は死ぬ前に二人に感謝を伝えたかったんだ。俺の未練は……二人ともっと遊びたかった、一緒にいたかった……逝きたくねぇよ!! でもな分かってんだよこんなこと言ってられないって逝く前に二人に会えただけで本当に嬉しかったんだ。今まで俺と遊んでくれて、一緒にいてくれてありがとう……これからはハロウィンの時に帰ってくるから……待っててくれよな。あとな子供会のイベントなんてないんだよ本当は。今日ってハロウィンだろ、だからさこのお菓子を子供たちに配ってくれ頼む」
そう告白してカネチカは消えた。
「このお菓子……どうすんだよカネチカ……一緒に食べないのかよ!! あぁぁぁぁ」
「兄さん…………せめてこのお菓子を子供たちに届けよう」
カネチカの頼みを聞くために俺たちはお菓子を配って回った。
これが俺たちのハロウィンでの一日だ
おしまい
ハロとウィンの活動記 暗黒神ゼブラ @ayumu20
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