第15話
カガネの瞳には、もうあの冷徹な復讐心はなかった。今、彼が持っているのは、この街の一部として生きる覚悟と、それに伴う責任感だった。
ドアを小さく叩く音が響いた。二人が視線を交わす。来訪者は小柄な老人だった。震える手で帽子を取り、頼みごとを口にする。
「娘が何者かに連れ去られてしまいました。どうか助けてくれないか」
カガネは黙って老人を見つめ、傍らのフロストバイトと視線を交わした。その目には、互いに無言で了解した証が浮かんでいた。
「心配するな、じいさん。俺たちがやれるだけやってみせる」
過去の仇討ちを終えた今、彼の目的は変わっていた。新たな力は、他者を守るために使われるべきものだと気づいたのだ。
フロストバイトがにやりと笑った。「じゃあ、また仕事開始だね」
こうして、サイバネ侍と忍者ハッカーの何でも屋は
サイバネ侍と忍者ハッカー 青猫あずき @beencat
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