第15話

「そんなこと言われてたんだね」

と美穂はいう。

この通りを2人で歩く。

「そうなんだよ」

「言っちゃったんだ、ひろきって」

「ああ、だめだったか?」

「いいよ」

その突如ボールが飛んできた。

私はその拍子にそれを掴んだ。

「ナイスキャッチ」

数人の子供たちがこちらへ寄ってくる。

彼らに向かってボールをなげた。

ありがとうと彼らは告げて、

私たちは再び歩く。

「もう少しだね」と美穂はいい、

私はああといった。

道路の向こうではトラックが通り過ぎた。


「先生、いつまでそこにいるんですか?」

1人の看護師が彼に問いかける。

彼はじっとその場所を見ている。

「誰かが居たような気がするんだよ」

「怖いこと言わないでくださいよ」

彼女は扉に手をかける。

「鵠沼先生、はやく、行きますよ」

「キャッチボールしたくなった」

「鵠沼先生、ちゃんと寝てますか?」

















Yesterday

昨日は

All my troubles seemed so far away

僕の悩み事なんて

はるか遠くにあるように思われた

Now it looks as though they’re here to stay

今それらは目の前にあるようだ

Oh, I believe in yesterday

ああ、僕は昨日を信じる



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タイムラグ人間 雛形 絢尊 @kensonhina

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