正義と悪とは? そして愛とは? 追放された「彼」の贖罪の旅路が始まる。

主人公である「それ」はただ戦うことしか頭にありませんでした。
いつしか捕縛され、断罪され、シエルという天使から、「いい子になれば力も身体も元に戻す」という条件付きで、人間として生まれ変わることになります。期限は二十歳まで。

はじめ、彼、リチャードは何がいい子なのか、いいことなのか、善悪の区別すらよくわかっていません。でもそんな彼の中に徐々に感情が芽生えてきます。その過程も丁寧に描かれ、彼は名家の息子として徐々に立派に育っていきます。

彼の家に引き取られたエイダ、それから大切な学友。

彼には大切な人ができたのです。

ですが、リチャードには数々の困難が襲います。

リチャードは本当に、「いい子」になって元の場所に戻ればいいのだろうか、私はかなり悩まされました。

このお話は、ハラハラと先が気になってしまう見事な構成で、その上、時折ぞくりとさせられる描写とSF要素が絶妙に絡み合い、それが見事に調和しています。

機械仕掛けのバイブルを読み解くのはあなたです。
ぜひ読んでいただきたい一作となります。

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