忘れ去られた影の報復


 少年A。
 仲間と結託し、同級生であった男子生徒を惨たらしく死に至らしめた。

 そんな彼は「未来ある少年」と見做され、反省の機会を与えられた。

 彼は罪を償い、一般人として生活を送っていたのだが…… 
 


 子供の頃、立場は一度決まったら二度と変わることはないと思っていた。

 勝った人はずっと勝つし、負けた人は多少頑張ってもずっと負ける。

 そうやって、負け越しが続く自分の立場を納得させていた。


 でも、お天道様はちゃんと見ているものだ。

 その時の頑張りも、その時の手抜きも。本当は何をしていたのかも。

 たとえ、当人が忘れていたとしても。