青春の悩みの只中にいる少女を哲学的思考の主人公が口説いて明るい方向に導きます。
その話運びは理路整然として鮮やか♪
さすが哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスにちなんで命名された主人公です。
こんな男子がクラスにいたら、きっと素敵な毎日が送れることでしょう。
安敦……もとい安居敦さんの論理展開は良い意味で高校生離れしていて面白いです。
読んでいると何だか『自省録』の世界を飛び越え、あたかもこの学校が古代ギリシャのアガトンの家のような――愛について問答するソクラテスやプラトンの『饗宴』の舞台に思えてきます。
ちなみにソクラテスは美少女ではなく美少年を口説きまくっていたのだとか。……哲学者かくあるべし?
哲学的なお話が好きな皆様はぜひ読みましょう。
主人公の安井敦はクラスメイトの遠藤絵美に対して
「幸福な人生に相応しい」という信念を持っており、
実際にコンプレックスを抱える彼女に哲学を用いて
彼女の心を開かせていきます。
哲学と聞くと小難しく聞こえてしまいますが、
登場人物たちが対話の中で嚙み砕いていく中で、
自然と「なるほど、そういうことか!」となります。
まさに私たちも口説かれているわけですね。
現時点で30話まで拝読したところになりますが、
敦が絵美を口説いていく理由が果たして
純粋に「異性として好き」だからなのか、
はたまた「自身の信念の正しさを立証するため」なのか。
そして可愛い妹や腐れ縁の美人クラスメイトとの関係が、
今後どのようになっていくのか、
ラブコメ的視点でも非常に気になるお話です!
とある男子高校生が、気になっている女子生徒を口説くのです。
「遠藤絵美は幸福な人生に相応しい」というセリフで!
ふつう、女性を口説くのって「君の○○なところがいい」とか「××が素敵だ」みたいな感じだと思うのですが、主人公の安居敦はまるきり違います。
このセリフ、もっと簡単にすれば「君は幸せでいるべきだ」とか「僕が君を幸福にしたい」だと思うんですが、言い回しからして独特で、含蓄がある。
さらに彼の会話が押しつけがましくなく、悩みを抱える絵美に哲学を使って手を差し伸べようとする姿が思いやりにあふれていて、距離感がほどよいんですよね。
他にもかわいい妹やツンとした美人さんも出てきます。
私自身、哲学ってなに? な人間ですが、この作品は非常に読みやすいので、ぜひ一読をおすすめします。
哲学という単語。たぶんほとんどの人が、この小難しそうな単語を自分のテリトリーから遠ざけようとするのではないでしょうか。私自身、そうでした。
この物語と出会うまでは。
本作は、哲学が好きで、かつ知識が豊富な高校生の敦くんが、容姿端麗で端からみると幸せな人生を送っていそうなクラスメイトの絵美さんが日々生きていて辛そうにしていることに疑問を持ち、自らの武器──哲学を用いて幸せにしてあげようという一風変わった物語です。
一風変わったと書いたばかりなのですが、私は唯一無二の作品だと思っています。哲学を用いて誰かに手を差し伸べようとするする斬新な設定、綿密に練られた物語の構成、物語の中で息づいているキャラクター達とどれをとっても素晴らしいものがあると思います。
何よりも哲学という大多数の人たちが距離を置くであろう言葉を、作者様が優しく噛み砕き、それも自然に物語に落とし込んでくれているので和紙に水を浸したみたいにすっと物語に入り込むことが出来ます。
心からおすすめ出来る作品ですので、気になって頂けた方は是非御一読ください。
男子高校生が同級生の女の子を口説く学園モノに、哲学という要素が組み合わされた、少し変わったラブコメです。
普段は何となく感覚的に理解しているはずのことを、敢えて細かく言語化することで、より深く「そういうことだったのか」と納得できる心地よさが散りばめられています。
一見しただけで主人公の思想の全てを読み解くのはかなり難しいかと思いますが、理不尽な内容は一切出てこないので、繰り返し読み直す中で合点がいくようになる部分も多いです。
学びの楽しさを思い出させてくれますね。
主人公がヒロインを口説く物語を、主人公の一人称視点で描いているため、彼女の胸の内を把握できないのも楽しいです。
人としては好かれているでしょうけれど、果たして彼は恋愛的に好かれているのでしょうか(笑)
今後も楽しみにしております。
安居敦(やすいあつし)、高校2年生。この男、一言でいうなら「不遜(ふそん)」である!!
弁舌さわやかに、―― 言い直そう! 馴れ馴れしくクラスの女子に近づき、厚かましくも論理を駆使して少女の心を開き、行動変容を導く。
と、ここまでならば「良い少年」である。動機が、少年らしい「恋」とか「友情」などであるならば!
しかぁし! この男の内面描写や家庭描写には、そんな可愛らしい少年らしさが微塵も無いのであーる!!
怪(あや)しい! 怪しいとしか、評者である私には、今のところ、見えない!!
この怪しさは、この短いレビューで説明のしようがない。本作を読んでいただくしかないであろう。
そうして、少しでもこの男の怪しさに気づいたならば、読者は、この男から目を離してはならない!!
哲学?
ロジックを用いて女の子に接近する主人公、新しい!
面白い!
PVすでに1万2千超過、カクヨムコン10参加作品。
まさに、今、読むべき作品!
作者の広沢長政、ただ者ではない(敬称略w)
現時点で全話読了してのレビューとなります。
主人公である敦くんが哲学でヒロイン達を口説く……もといお悩みを解決していくこの作品は、哲学に焦点を当てていますが、紛うことなき恋愛小説です。
そんな敦くんですが……はっきり言って『変人』です。この敦くんに対する印象は、ヒロインの一人である悠永ちゃんが作中で代弁してくれていることでしょう(笑)
ですが、だからこそいい!
一癖ある主人公がヒロインたちと心を通わす瞬間こそが、何ものにも代え難い栄養源となります。
この小説を読んだ方は、きっと恋愛ゲームを体感しているような気持ちになるはずです。
そして、この作品の代名詞である『哲学』に関しては、はっきり言って私はチンプンカンプンでした。
ですが、そんな哲学を分かりやすくキャラクター達を交えて解説してくれています。
哲学に興味がある人も、そしてない人にも楽しめる作品だと思います(*ˊᗜˋ)
哲学とラブコメ。
一件相容れないように見えますが、こちらの作品においては見事に絡み合い、相乗効果を発揮しています!
主人公である「敦」は哲学好きな男子高校生。
といっても頭の硬いタイプではなく、勉強はできるけどなかなか楽しい人物です。
敦はクラスの薄幸な美少女「絵美」に心から笑ってもらうため、
彼女に哲学的命題をふっかけながら、アプローチし始めます。
絵美は少しずつ変化を見せるものの、何か理由があるらしく、簡単に自己肯定感が高まるわけではありません。
母親と自分を比べて劣っていると感じたり、自分の名前を受け入れられない絵美を、
敦が哲学的命題を絡めて説得するシーンは圧巻です。
ヒロイン以外にも可愛い妹や、ツンデレ美人など、魅力的な女性キャラクターがたくさん。
敦は絵美を幸せな少女へと導くことができるのか?
一見とっつきにくい哲学というテーマを面白くラブコメに落とし込んだ本作、
哲学がどのように私たちの生活を豊かにするのか、実例をしっかり学ぶことができます!