攻防戦

第47話 攻防戦①

俺が目を覚ましてから2か月後、ついにリハビリを終えて俺は完全に回復を果たした。すでに砕けていた骨はすべてくっつき動いても痛みはない。頭部に傷は残ったもののそれも目立たない。


「リハビリお疲れ様」


「ようやく体の痛みが取れた。これで元と同じように体を動かせる」


「、、、でも蒲田ダンジョンは入れないよ」


「は?なんでだ?別に一度大けがしたら入れないなんて制限はないはずだろ?」


「いや、来宝だけじゃないんだよ。ギルドからの依頼を受けているシーカー以外入れないようになったんだよ」


「なぜ?」


「、、、第20階層でイレギュラーがあったのは知ってるよね?」


「あぁ、それは知ってる。橘が行ってるってやつだろ?」


「それがね。鎮圧は失敗したんだ」


「鎮圧は失敗?」


「うん。派遣された七つ星級と六つ星級シーカーの計2人が第20階層で殉職。帰ってきた六つ星級のシーカーも心身ともにダメージを受けたみたいで今は療養中らしい」


「、、、つまり、蒲田ダンジョンはイレギュラーが抑えきれなくて入れなくなったってことか?」


「まぁ、そういうことだね。やっぱり安全が確保できないわけだから、そんなところにシーカーが簡単に入ることは許されないってこと。しかも、これは噂でしかないんだけどどうもシーカーが入らなくなってからイレギュラーがほかにも起きてるらしい」


「別の階層でも起きてるってことか」


「うん。あくまでも噂だけどありえない話じゃない。封鎖されてから蒲田ダンジョン周辺に一般人が入らないように規制を激しくなったっていうからね」


「なるほど、、、」


「ってことでもしダンジョンに潜りたいのならほかのところに行かないといけないってことなんだけど、、、」


「もちろん行くだろ。蒲田がいけないってことはここらへんだと渋谷になるのか?」


「、、、もしかして入院中勉強してた?」


「まぁ、暇だったからな」


「ダンジョンのことを嫌いになってなくてよかった。それで、ここらへんだと渋谷か品川かな。どっちも難易度としてはあんまり変わらないし、一つ星級ぐらいならどこも変わらないよ」


「、、それなら渋谷に行こう。そっちの方が行きやすい」


「わかったよ」


しかしながら、さすがに今日このままいくわけにはいかない。家に帰ってやらなければならないこともいろいろあるのでダンジョンに行くのは明日に持ち越しだ。


「あぁ、それと頼んでおいた装備が完成してたよ」


「、、、フォレストウルフのやつか。そういえば頼んでたな」


「俺が受け取っておいたから明日渡すよ」


「わかった。明日は一つ星級の相手とやりたいんだが、少ししたら二つ星級とやりあわないか?」


「、、、考えておくよ」

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2025年1月11日 12:00

ダンジョンの波に呑まれて クララ @kurarasimon

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