第26話 ほうじ茶の覇権争い
わたしは、ほうじ茶です。一般に、煎茶や番茶を焙煎したもので、苦味や渋味がない、さっぱりとした後味の緑茶の一種です。
茶の品格としては、玉露や煎茶より下で、高級な部類ではないとされています。それでも、京都の料亭では食事の際に出されることも珍しくなく、徐々に知名度も上がってきているのです。
そんなほうじ茶のわたしですが、実はこのほうじという名前が好きではないのです。だって、他の茶名と比べたら、なんか地味というか、ダサいでしょ?
「――ほうじ茶ラテ、新発売!」
……ですが、綺麗な女優さんのCMが流れたのをきっかけに、まあ、この名も捨てたもんじゃないと思いました。ラテがつくだけで、こんなにもオシャレ度が増すのですね。しかし、それと同時に、わたしに新たなライバルができました。
ほうじ茶が狙う首。それは抹茶さん、あなたですよ――。
200文字短編集「救済皆無」 ノエルアリ @noeruari
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。200文字短編集「救済皆無」の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます