第7話

「これだけど・・・」

 清水がプロダクションにステージ衣装を持参した。

 「これは・・・自分で縫ったのですか?」

 プロデューサーが訊いた。

 「いえ、その男子が作ってくれたの」

 「こんなのを?」

 これほどの衣装を作れる会社がスポンサーについたら・・・。

 このステージ衣装が彼の企業が誇る財力を示すべく作られたことは明らかだった。

 「その人に会わせてくれますか?」


 その日も彼は清水を校舎裏に呼び出した。

 「なあ、いいだろ?付き合おうぜ」

 と、そのとき。

 「うちのアイドルを誘惑しないでくれませんか?」

 プロデューサーが二人の間に割って入った。

 男子佼生は清水の手を引いて走り出した。

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