私が一番!
@gilun6pc
第1話
「プロデューサー」
「はい」
「このごろあなたの成績が落ちています」
「そ、そうです」
「いい加減人気アイドルを生まないとくびです」
「わ、わか、わかっています」
あるプロダクションで行われた常務とプロデューサーの会話。
プロデューサーはプロダクションを出て行った。
「どこかにいい娘がい・・・」
といいつつ歩んでいたら
「ありがとうございました」
傍らにあった書店から現れた店員とおぼしき少女が出て行った客に挨拶をした。
「た・・・」
プロデューサーは早速その本屋に入って書を大量に大人買いした。
「ありがとうございましたー」
その日以降、来る日も来る日もプロデューサーはその書店に行き、書物をたくさん買った。
「ありがとうございましたー」
またあの娘が店の外に出てきて去り行くプロデューサーの後姿に頭を下げ、挨拶した。
「またたくさん買ってくれたわね」
その娘は本屋の中に入って言った。
「本当だね、あの人はうちのお得意様だ」
ほかの店員が言った。
そういう日が数日か続行されたある日。
「いらっしゃいませー」
またあの娘が頭を下げ、挨拶をする。
(またあのお客さんだわ、またたくさん買ってくれるのね)
と、思ったら
「実は私、こういうものです」
プロデューサーが名刺を出した。
「げ、芸能プロデューサー?」
思わぬ常連客の正体に、その娘は驚いた。
「どうです?アイドルになってみませんか?」
「いいんじゃないの?いつもお世話になっているんだし・・・」
ほかの店員が言った。
「うっ・・・」
無論プロデューサーはこの誘いを拒絶できなくなるように大量に大人買いを続けていたのだ。
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