科学なのか、オカルトなのか、謎の奇病をめぐるミステリー

 「こういうのが読みたかったんだよ!」と読了した後に強い満足感を覚えました。
 
 発想のオリジナリティが高く、他では読めない独特なアイデアが楽しめる作品です。
 
「解離性遁走」や「ウェンディゴ憑き」などの精神医学的なアプローチから始まり、オカルトや民俗学などの分野にも言及していく感覚。
 それらを「踊り」という一つのテーマを中心に読み込むという発想に、ひたすら感嘆させられました。

 まさに「掘り出し物」と呼びたくなる、傑作短編ミステリーです。