第12話 大きすぎるGIFT
いわゆる『奇跡の力』というものを、ロイルの長をはじめ、若長のティラン、その守役のジェドに見られていたエリサだった。
「ぜひ、我が家のティラン君と婚姻してください」
ミルドラン長の後ろで嬉しそうに頷いているティラン。
「あなたは、良いの?」
「はい。光の精霊を持った女性です。大歓迎ですよ」
ティランの笑顔は、本当にいっしょに旅をした神に似ている。複雑な気分のエリサだった。
<あれ……俺……北の地方で……>
「大暴れして、今まで目を廻してたのよ。ごめんなさいね、リカルド。あなたと勝手に契約を切って。でも、また契約をするわ! ね、しましょう」
「なんで契約切れてるんの?」
「それは~ ティランが~」
歯切れの悪くなるエリサ。ティランの所為だとは、長のいる手前言いにくい。
<最下位だから、普通の契約しか出来ねぇぜ>
「それでも良いわ」
エリサの楽しそうな声に、ティランは不安になった。
「父上~ このままでは、エリサは僕と婚姻してくれませんよ」
「彼女は、君のところに来てるから大丈夫。君が覚えてないだけ。記憶を消していったんだね」
「?」
ティランは、ジェドを見る。
ジェド水晶を見つめて、未来を予見した。
「それにしても、神の贈り物は人にとっては大きすぎるものだね。エリちゃんは、後唯一度だけこの力を使って君のところに来るよ。だから君は、良き理解者なってあげて?」
「エリサはまだ13歳ですあり得ないでしょう?」
「だって君、大きくなったら、熱の出しぎで種無しになるからねぇ。未来の君では無理なんだよ。今はまだ、大丈夫だからエリちゃんがに狙ってきてるんだ。未来から時空を飛んでね」
ティランは、驚いてしまった。
(知らないところで僕たちは結ばれてる……)
ティランは、改めて風の騎士と契約し、喜んでいるエリサを見て、見守っていこうと決心した。
(完)
GIFT ~光の神から精霊使いへの贈り物~ 月杜円香 @erisax
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