閉幕
結局、あの白骨は、亡くなった佐渡大地さんだったらしい……
佳奈ちゃんはこの殺人事件の共犯として亡くなった彼をどうしても、使いたかったと警察に自供したと後で、真莉から聞かされた……
そして、この事件の元となった田中君と愛さんも、佐渡さん殺害を自首して今取り調べを受けているらしい……
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僕は、久しぶりに真莉の推理記録の詳細をノートPCに打ち込み終えた。
真莉は、大学時代には、随分とあちこちで難事件に合い、その度に見事に解決してきた。その隣には、いつも何故か僕がいたのだが、僕としてこれと言って特に何か活躍はした記憶はない。
もし、あるとすれば、僕は、合気道の有段者なので何かあれば、相手を投げ伏せる。それと、今の様にコツコツと真莉の記録を克明に保存するくらいだ。
いつの日だったか、その記録を真莉に見せると……
「拓磨!
これを使ってミステリー作家になれば!
私は、応援するわよ!」
とニコニコしながら答えた。
そんなかつての思い出に振り返って僕は、数々の真莉の推理記録から、真莉と一緒に初めて遭遇した、殺人事件のファイルを、開くと、懐かしさと共に、人を殺めると言う凶行に至る恐ろしさと悲しさを感じずにはいられなかった……
僕は、頭を振りながら、こんな悲惨な話を小説なんてできない……
でも、真莉は、きっと僕がミステリー作家となって自分が大活躍する物語を書いて欲しいのだろう……
その分だけ多くの人の命を救ったのも確かに事実なのだから、それくらいやってもいいんじゃないだろうか?
なら少しだけ、コミカルにしてやってみようかなと、僕はWordを立ち上げた。
タイトルはどうしよう……?
そうだ!
---- 明石 真莉のプロファイル【推理記録】 ----
だ!
明石 真莉のプロファイル【推理記録】 〜三途の送り人殺人事件〜 呉根 詩門 @emile_dead
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