《第3話》尊敬する者達、そして家族と親族の為に…

昭和が終わって民国化となり、昭和の不適切ゆとり派ムネヒロは自分の時代の終わりを感じて自棄になり、過剰飲食しながら幾度も繰り返し寝転がっていた。

それもそのハズ、陛下が崩御したその日は土曜日で仕事の予定も無くなり、何もする事が無く次の日の日曜日までが完全自粛モードであった。

それでも成らず者だったムネヒロは自粛モードが明ける月曜日から再び作業熱心になり、新年度から新しく入る後輩の見本にもなれる様に心を改めた。

そして、その年の春から創作活動をしながら清掃・美化・見回りなどの下請け業を続け、慈善活動にも協力し、子ども達や若者達に普段から身によく付けるべきである生活の基本と習慣を伝え、バラエティ番組の楽しさを知って興味を持たせ、その年から毎年大晦日には夕張から急行バスで札幌の都心を経由し、丘珠空港まで連絡バスに乗り、航空機で45分間のフライトを経て函館空港からバスに乗り、シティホテルでチェックインし、夜は路線バスとロープウェイに乗って函館山の山頂でカウントダウンイベントに参戦、年が明けた元日には乗り継ぎで航空機とバスに乗って夕張に帰り、その翌日には夕張神社で初詣、冬は歩道や各施設敷地内などの除雪を行うなど、毎日を楽しく生き続けていた。

そんなある日、昭和ゆとり派ムネヒロは特別支援施設職員が見ていたテレビで衆議院本会議が内閣不信任案を可決したというニュース速報が入ったと知り、ずっと尊敬していた昭和のゆとり穏健派ツネオ氏が再び議席を取る事と政権交代を願って総選挙の投票に行く事を決めたが、政治と選挙に関してはまだ完全に素人状態だった。

それもそのハズ、昭和ゆとり派のムネヒロは選挙権を得たばかりで、群馬県太田市の小学校や特別支援学校の中学部でさえも政治の勉強を学んだ事すら無かった昭和ゆとり派のムネヒロは、特別支援施設の先輩達に色々と教えられて投票の仕方を覚えた。

そして総選挙の当日、先輩達をはじめとする特別支援施設の仲間の有権者達と一緒に投票所へ行き、選挙区は非自民・非共産派の政党である新党さきがけの公認候補者に、比例区は尊敬している昭和のゆとり穏健派ツネオの属する公明党に、それぞれ投じて下請け先する合宿施設に行って清掃や整理作業を行った。

そして夜は共同住宅で民放の選挙特番を見て、あの時からずっと願い続けていた事が遂に叶った瞬間を見た。

この時は新党ブームの影響もあり、昭和ゆとり派のムネヒロ自身が尊敬している穏健派ツネオ氏の属する政党が与党に入り、遂に政権交代となった。

あまりにも不適切過ぎた自民党政権に終止符が打たれ、国民が金権政治に騙され続けていた生活苦から遂に解放されると期待するまでとなり、昭和ゆとり派のムネヒロも不適切を辞めてもっと自分を改める気持ちが更に強まった。

また、10代におけるVIO脱毛義務化や自殺禁止法も成立したのを機に、昭和ゆとり派ムネヒロは美化と衛生改善と新しい時代の身嗜みの為に自費で丸刈りにしたり、全身脱毛して新しい自分自身を作り始めたのであった。

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