《第4話》就労と学業の両立

全てを清めた昭和ゆとり派のムネヒロは政権交代で政治改革を急速に進める新総理と非自民・非共産連立政権に期待し、これからはカネの事より中身を充実させるべく就労に励みながら新しい学業に挑む事を決意した。

特に、新しい学業はこれまでの自民党政権が犯した政治とカネの問題、ロッキード事件、リクルート事件などの汚職、これらを学ぶ事で自民党は如何に終わった存在である事を知り、新しい政治と日本と世界の在り方とは何かを考えるべく、次なる活動の場を旭川に変えて中学校に入る為、受験勉強を始めたのだった。

それもそのハズ、6年半も前に独立行政法人化した全ての小学校や一部の国公立大学を除き他の国公立学校が社会福祉サービス企業や宗教会社に運営を移譲されて私立民営化となり、前年度から義務教育も小学校のみに縮小、これにより再びのチャンスが訪れたからである。

昭和ゆとり派のムネヒロは特別支援施設職員から大手学習塾への通塾を推奨され、十分な睡眠や就労時間を確保しながらも、受験勉強を行い、連休や年末年始の息抜きもしたり、成人になってからも禁酒禁煙主義になったりギャンブルにも手を出さず、週に2日間は学習塾に通い、塾の終わりには外食、年明けには入学試験、ムネヒロの挑戦は数ヶ月も続くのであった。

勿論、必要不可欠な息抜きとして大晦日には夕張から札幌都心を経由し、丘珠空港までバスに乗り、航空機で45分間のフライトを経て函館空港からバスに乗り、シティホテルでチェックインし、夜は路線バスとロープウェイに乗って函館山の山頂でカウントダウンイベントに参戦、年が明けた元日には乗り継ぎで航空機とバスに乗って夕張に帰り、その翌日に夕張神社での初詣は欠かさず行い、中頃に本格的に受験に挑み、翌月前半の合格発表を待つのみであった。

かつては不適切で数人の男女と組んで何人もの女子児童を相手に形振り構わず誂うなど悪ふざけを繰り返す成らず者だった為、小学校までの6年間は通常の学校に通うも中学から特別支援学校に編入しての3年間を経て、特別支援施設に入所した昭和ゆとり派のムネヒロも下請けや慈善活動などに取り組んで色々と大きく変わり、経験しなかった民間の中学校での生活によって、また新しく変わらなければと物心が思い付き、入試を終えた後も勉強を続けながら下請けや慈善活動に励んでいた。

そして合格発表当日、昭和ゆとり派のムネヒロは入試を受けた中学校に足を踏み入れ、合格者リストに載っているかどうか自身の受験番号を探した。

そして遂に、奇跡は訪れたのであった。

なんと、昭和ゆとり派ムネヒロの受験番号は合格者リストに載り、遂に民間の中学校への入学が決定したのだ。

その後、夕張に戻って特別支援施設や学習塾の職員達に合格した事を報告し、その後群馬県太田市の両親にも電話で知らせたのだった。

両親にも喜ばれ、春からは夕張を離れて旭川で頑張ると決意表明した昭和ゆとり派のムネヒロは、その後も下請けや慈善活動をしながら勉強を続けたのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る