軍国主義になったら、国は終わる

白鷺(楓賢)

本編

日本は今、防衛費の大幅な増加を進めています。最新の武器を揃え、より強固な防衛体制を築こうという動きが目立っています。確かに、世界では戦争や紛争が続いており、私たちの安全を守るために防衛力の強化が必要だと感じることもあるでしょう。しかし、私たちは一つの重要な事実を忘れてはいけません。もし軍国主義に傾けば、国は崩壊への道をたどるということです。


日本はかつて、軍事力を強化し、富国強兵というスローガンのもとで国家と軍が一体となり、強力な軍事国家を目指しました。その結果、私たちの祖先は多くの悲惨な出来事を経験しました。戦争の中で無数の命が失われ、戦後の日本は、破壊された国土と、疲弊した社会を再建しなければなりませんでした。戦時中、多くの若者や民間人が、狂った権力者に利用され、国家の誤った判断によって犠牲となったのです。


当時の日本は、軍国主義に傾倒し、戦争へと突き進んでしまいました。その結果、戦争により失われた命は数えきれず、国土は焦土と化し、国民は極限の苦しみを味わいました。この歴史的な教訓を、私たちは決して忘れてはならないのです。戦争の悲惨さを知っている日本人だからこそ、今一度立ち止まり、軍事力に依存することがどれほど危険かを考えるべきです。


もちろん、今の世界情勢を見ると、日本がある程度の防衛力を保持する必要があることは理解できます。国を守るためには、適切な防衛体制を整えることは重要です。しかし、軍事力を過信し、軍国主義に戻ってしまうことは絶対に避けなければなりません。防衛を強化すること自体は悪ではありませんが、それが行き過ぎてしまい、再び軍国主義に陥れば、国民の自由や生活が犠牲になる可能性が高まります。


国が守るべきものは、防衛力だけではありません。国民の暮らしや幸福こそが、国家の第一の使命であるはずです。現在、日本では経済格差が広がり、生活に困窮している人々が増えています。福祉の充実や生活困窮者への支援は、今こそ国が力を入れるべき重要な課題です。もし防衛費の増大ばかりに目を向け、国民の暮らしを支えるための政策が疎かにされれば、国全体が不安定になり、やがて崩壊することになるでしょう。


外交や防衛は確かに重要です。しかし、それ以上に大切なのは、国民一人ひとりが安心して生活できる社会を築くことです。強力な軍備を持っていても、国内の貧困問題や福祉の不備が放置されていれば、国家としての安定は保てません。安全を追求するあまり、軍国主義に傾くことは、決して正しい道ではありません。


防衛力の強化が必要かもしれない時代にあっても、軍国主義への道を歩んではいけない。過去の日本が犯した過ちを繰り返さないために、私たちは国民の暮らしを最優先に考えるべきです。国民の幸福が守られてこそ、真の意味で強い国が築かれるのです。私たちは、戦争や軍事力に依存するのではなく、平和と繁栄を求めて、内政に力を注ぎ、国民全体の幸福を目指す国家を作り上げるべきだと、私は強く訴えます。


戦時中に失われた多くの命を無駄にしないためにも、私たちは再び同じ過ちを犯してはいけません。戦争の悲惨さを忘れず、未来に向けて平和を築いていくことが、今の私たちに課された使命です。

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