第4話推理
交通課のオービス写真を解析してもらった。
黒井川警部は、写真に違和感を感じていたからだ。
半沢は身長が170cm程度。
写真の半沢はやけに座高が高い。
恐らく弟子のタツだろう。
顔は写真を拡大して、お面の様にしたと思われる。
解析すると、陰影からお面と発覚した。
黒井川は1人ではんざわ亭に向かった。
「こんばんは。黒井川です」
「いらっしゃい。店も終わってね。ちょうどいい時にこられた。お仕事は終わりですかな?」
「はい」
半沢は、笑みを浮かべながら、日本酒とからすみを持ってきた。
「いやぁ〜、黒井川さんと今夜は飲みたい気分だったのです」
「そうでしたか」
暫く黙って2人は客のいない店内で日本酒を飲んでいた。
タツが創作料理を持ってきた。
「どうぞ、ヒラメと塩昆布のゆず釜です」
タツはじっと立っていた。
「タツも共犯になるんでしょうなぁ?」
「黒井川は、アリバイ作りに手を貸していますので、ある程度の罪は……」
「しかし、タツは私が何の為にこんな馬鹿げた願いをしたのか知らないんです」
「はい」
「タツ、世話かけたなぁ」
タツは涙を流していた。
「うんうん、これも人生。実は明日にでも自首しようと思ってました。しかし、店は繁盛しましたが、この歳で金に目が眩んだのは。修行が足りませんなぁ」
半沢は笑みをたたえていた。
翌日、半沢は自首した。
黒井川は缶コーヒーを飲みながら、タバコを吸っていた。
終
殺意の鉄人 羽弦トリス @September-0919
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
精神障がい者の日記/羽弦トリス
★54 エッセイ・ノンフィクション 連載中 518話
パチンコ徒然草/羽弦トリス
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 7話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます