第30話:風花の白山羊からの手紙消ゆ

風花の白山羊からの手紙消ゆ

かざはなのしろやぎからのてがみきゆ



 風花がどこから来るかを辿ってみた。だけど、どこからやってくるかは分からず仕舞い。


 空は晴れている。もう空を舞う風花も、地面へと落ちた風花も、どこにも見当たらない。


 貴方は、何かを伝えたかったのだろうか? 私の想いも届くことはない。ただ風花を辿り、空を眺めて想いを馳せる。風花が消えてしまう、ほんの少しの間だけ。


 早く帰らなければならない。私を待っている人が居るから。






 もう消えてしまうだろう、貴方の声。手書きのダリアの札は、残したままで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

風花の手紙 さんが(三可) @sanga3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画