第29話:瞬きに消えて上書く星月夜

瞬きに消えて上書く星月夜

またたきにきえてうわがくほしづきよ



 写真の少女が、誰なのかは分からない。データの日付も古く、貴方とはどんな関係性があったの? 恋人なのか、それとも子供なのか?


 ただカシャカシャとフロッピーディスクを読み込む音が響き、その後には古いノートパソコンのランプが点滅を繰り返す。


 星々の瞬き。


 違う、一つの星は間違いなく消滅した。その奥にあった星が、偶然重なりあっただけ。


 でも今の私には、そんな事はどうだってイイ。縦だって横だって、斜めの関係だって、何だってイイ。今、私の中には変わらないものがある。

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