音を楽しんだ9月の話
音楽というものが幼いころから大好きで、いつもオモチャのマイクを握りしめて、音の出るオモチャで遊んでいた記憶がある。だが、好きなものも強制が入ると、途端に嫌悪感が生まれる。
自分で始めたいと言ったわけではないのに、13年間ピアノ教室に通っていた。音楽室にもあった箱型のピアノ、あれを祖母が購入。欲しいとねだった覚えはないが、小学校から帰宅したら、すでに家に設置されていて、「高かったんだから、毎日ちゃんと弾きなさい」と釘を刺された。それから地獄の日々が始まる。
やりたくて始めたわけではないピアノ。おねだりして買ってもらったわけでもない100万したというピアノ。毎日30分弾けという勝手に作られたルール。
なぜ、自分はピアノを弾いているのか。どこを目指しているのか。「ちゃんと練習したの!?」「ピアノ30分練習してからじゃなきゃ遊びに行くな!」なんで、怒られなきゃならいのか。やりたくもないものをこっちはやってんだよ。ふざけんな。だが、口から出そうになった私の不満を押し潰したのは、祖母が購入した100万のピアノの存在。
これが10万とかだったら、簡単に「ふざけんな。辞めてやる」と口にできただろう。だが、金額が金額だ。自分のために出された100万は、10歳の私には重すぎた。
残念なことに私にピアノの才能はない。代わりに養われたのは、音を聴く耳。だからこそ、自分の才能の無さに早々気づかされた。後から始めた友人たちのほうが圧倒的に上手かった。ピアノの先生にも言われた。「その年数やってて、それしか弾けないの?」
音楽は今でも大好きだが、ピアノに関しては【好き】と胸を張っては言えない。「人並みに弾ける程度ですよ」とだけ、周囲には伝えている。学生時代は、中・高の合唱コンクールで二回伴奏はしたが、同じクラスに私よりも上手に弾ける子はいた。その子が前年に伴奏をしていたから、同じ子が続けて弾くのはNGということで、ピアノが弾ける私に白羽の矢が立っただけ。
私の適当な性格はピアノにも影響があって、【いかに黒鍵タッチを減らして楽をして弾くか】を考え、譜面通りに後半のほうは弾いたことがなく、ピアノの先生を困らせてばかりだった。でも、そのときが一番楽しくピアノと向き合えていたと思う。自分で考え、誰かに強制されることなく、自分の奏でたい音楽を奏でられたから。
このころ、私はロックバンドと出会う。
それまではアイドルグループの曲だったり、その時の流行りの曲だったり、アニソンだったり。親の影響で演歌や歌謡曲を聴くこともあったが、「これだ!」というものに出会ったことはなかった。
好きだったアニメの主題歌を担当したロックバンド。その曲を初めて聴いたときの「あ、自分が求めていたものはこれだ!」という直感。稲妻に打たれたとかそんなレベルじゃない。自分の人生を大きく変えた瞬間だった。それからバンドを組み、いろんな人と出会い、バンドマンと結婚することになり、方向性の違いで別々の道を今は歩んでいるが……。
高校の時に別のバンドにハマったのだが、ライブに行こうとしたら、当時のバイト先の店長に「人がいないから休むな」と言われ、行けないまま、バンドは活動休止を宣言。
そして!!! 待ちに待った日を迎えた。2018年、活動を再開!!!!!!
約10年越しの念願のライブ(野外フェス)に先月行ってきました。ありがとう、活動再開してくれたメンバーの皆さん!! 生きててよかった、待っててよかった。最高の一日でした! アルコールアレルギーなので、常に素面だけど。そこら辺の酔っぱらいたちよりもテンション高かったもんね! いや~、バンド最高っすわ! またやりたいね! 音楽の波にドボンと飲み込まれる瞬間が最高に幸せ。
そのフェスで出会ったバンドに惚れ込み、絶賛沼り中です。このバンドのパフォーマンスが圧巻で、久々にズドーンと心臓をぶち抜かれました。かっこいいとかじゃ言い表せれないのよ。彼らの人生をギュッとぶっ詰めたような音楽をやっているバンド。だからこそ、彼らの音には心の臓を貫けるだけの衝撃がある。メインの前に、すんごいものを出されちゃって、メインが霞んだ。それくらい、衝撃のあるバンドだったな。かっこよかったな、彼らの音楽。また生で、彼らの音の波に溺れたいな。
あぁ~、バンドしたいね~! やりたいね~!
またメンバー集めから始めようかな!って目論んでる。
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