絶望と希望が織りなす切なさ

殺害衝動に悩み、苦しむ龍ヶ世舞。
彼女の前に現れたのは、自分にそっくりな雪蝶と名乗る少女だった。
雪蝶の言葉に乗せられて、舞は<高位の存在>になる道を選ぶ。
しかし、その道はあまりにも残酷だった。

本作は前編「Despair」と後編「Hope」で構成されている。
舞にとっての希望と絶望。
雪蝶にとっての絶望と希望。

ラストに近づけば近づくほどに、タイトルの切ない雰囲気を感じ取れる作品となっている。
それは残酷な設定なのに、彼女たちをどこまでも美しい、と読者に感じさせてくれるからだろう。

是非、この愛してやまない二人の物語を、最後まで読んでほしい。
そしたら、再び最初から読み返したくなるはずです。

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