もしもしあわせ

　和泉栄太（イズミ）は新卒１年目の会社員。とある夢を追いかけ、地元を離れて就職していた。
　夏のある日、地元に帰省していたイズミは、偶然幼馴染のれもんと再会する。れもんは眩しいほどに明るくて、イズミには幸せそうに見えた。
　ただ、二人の間には10年の空白期間があり、知らない過去も多かった。
　そしてイズミは「れもんになら話せる」と、今まで自分で抱え込んでいた仕事の悩みを打ち明ける。
　だが……。

「逃げちゃだめだよ」
「お前だって逃げたじゃないか」

「イズミはそれでいいの？」
「お前に何がわかる？」

　過去を知り、今を知り、未来のことを考えて……ぶつかり合う。
　もしもあのとき違う道を選んでいたら、どうなっていたのだろう。
　考えてみても、過去は変わらないのに。どうしようもないのに。
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