入団試験②

「試験開始!」


 その言葉を合図に、トリケラトプスと対峙した。


「確かトリケラトプスは、頭は固いが…体は柔らかい!」


 俺は刀をさやから取り出し、一気に飛んでトリケラトプスの上へ行くと、刀を立てて背中に刺し、刃の向いてる方に刀を動かし、引き抜いた。トリケラトプスは結構なダメージを食らったのか、怒り狂った様子で暴れ、俺は背中に乗っているのが危険だと察知し、すぐさま飛び降りた。


「よし、結構きいてるぞ!これなら…」

「優!突進がくるぞ!」


 麗桜がそう言い見ると、トリケラトプスは足を払い突進の準備をしていた。


「まずい!」


 俺はすぐさま離れたが、突進のスピードが速く、すぐに追いつかれ、ぶつかってしまった。


「優!無事か!?」

「ああ…刀を盾みたい使って何とかな。だが、この刀はもうボロボロだ。どうするか」


 俺が考えてると、試験が始まる前に、試験官が言っていたことを思い出した。


「サルスにはそれぞれ耐久値を大幅に使用する代わりに使える大技がある。」

「この刀はどんな大技が使えるんですか?」

「この刀はラプトルの力が宿っていてな…」


 俺は、試験官に教えてもらった通り、刀を鞘に戻し、構える。その間にトリケラトプスはまた、突進を始めた。


「この刀は…ラプトルのように早く斬撃を放つ!」


 トリケラトプスが俺のすぐ近くに来たところで、居合を放った。その居合は、俺に突進が当たるよりも早くトリケラトプスにあたり、固い頭を横状に切り裂りさき、そのまま横に倒れた。


「春陽優…合格だ。ようこそ、【WJRT】へようこそ」

「や、やった」


 俺は安堵により地面にぺたりと座り込んでしまっていた。


「優!よくやったな!かこよかったぜ!」

「ああ、次はお前の番だ。ちゃちゃっと合格してくれよな!」

「あたりまえだ!俺は優よりすごいんだから優が合格なら俺も合格だ!」

「はらたつなぁ」


 そうして俺の運命の一戦が幕を閉じた。


「よし、これにて試験を終了とする。合格者は6人か…今年は豊作だな!」

「麗桜も合格か!」

「あたりまえだ」

「優君、麗桜君!合格おめでとう!」

「吉江さん!あなたこそおめでとう!それにしてもすごい戦いだったよ!まさかいきなり大技出して仕留めてしまうなんてね」

「あの時はもう何が何だかわからなくて、やけくそで出したらかてちゃったの!」

「そうだったんだ」

「は~い、合格者たち注目!君たちは正式に【WJRT】に入ったということで、さっそく箱舟へ行ってもらう。そのために親の同意を得てこい」

「試験官、親がいない場合はどうしたらいいですか?」

「…確かお前の親は5年前に箱舟へ行った調査団の一人か」

「はい、その時から親は箱舟から帰っていません」

「…わかったお前は親の同意はいらないが、学校で担任だった先生から許可をもらってきなさい。あの先生は、親がいないお前をいつも気にかけていてくれたんだぞ」

「あの先生が?」

「ああ。おっと、もう9時半か、ここは10時に閉まるから、このくらいで終わるか。それでは、【WJRT】入団試験を終わる。ありがとうございました」

『ありがとうございました』




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終わりの始まり 春川 @enannrei123

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