入団試験①
俺たちは俺たちは緊張で眠れず、疲れ切った顔をしながらも入団試験へ挑んだ。
「え~、これから始まる【WJRT】入団試験の審査官を務めさせていただく者だ。よろしく頼む。それでは今から、一つ目の試験、体力テストを始める。まずはこちらを見てくれ」
そう試験官がいい、皆が向くと、何もなかった場所にすごい急で、すごく長い坂が現れた。
「な、なんだこれ!?」
受験者の一人は驚きを隠せていないようだ。
「ああ、知らないやつもいるんだな。これは箱舟で発見された古代遺物《アーティファクト》を用いてやったんだ。」
「それはわかります!それよりこの坂です!なんなんですか!?」
「さっきも言っただろう。体力テストだって。
「ということは…この坂を上れってことですか!?」
「そうだ。こんな坂を登れないんじゃ、箱舟調査なんて夢のまた夢だ。あと、この坂は1時間以内に上りきってもらうからな」
「は!?」
「それじゃあ、はじめ!」
試験管の合図と同時に、受験者たちは駆け出していった。
「おい、俺たちも行くぞ!」
「おう!」
そうやって最初のほうは勢いよく走っていたが、中盤になると俺も、ほかの受検者たちもばててきていた。
「はあ、はあ、麗桜、もうきついかも」
「俺はまだいけるな」
「まじか!?」
「このままだと、俺は突破できるけど、お前は突破できなさそうか?やっぱり春陽は俺より劣ってるなw」
「なんだと!?うおぉぉぉ!」
俺は、麗桜の挑発のせいか、火事場の馬鹿力をだし、勢いを取り戻していった。そして結構な時間がたち、春陽たちはゴールした。
「はぁ、はぁ、やっとゴール…」
「タイムは58分か…ぎりぎりだな」
あたりを見回すと、もともと40人いたはずが、もう13人になっていた。
「はい、これで一つ目の試験終了。各自休息をとるように。あと30分後に再開するぞ!」
『はい!』
これで一つ目の試験が終わった。
「水がおいしぃぃ!」
「途中脱水症状で死ぬかと思ったぁ~」
俺たちが水分補給していると、一人の女性が話しかけてきた。
「やあ、大丈夫だった?ぎりぎりだったけど」
「ああ、なんとかね。ところで君の名前は?」
「言い忘れていたね。私の名前は和泉吉江。よろしくね!」
「俺は春陽優、こっちは野川麗桜だ」
「よろしくな!」
そうやって自己紹介していると、30分がたち、2つ目の試験が始まった。
「よし、それじゃあ2つ目の試験だ。まあ2つ目と言いながらこれが最後の私見だがな」
「みじかくないですか?」
「そうだが、その分試験内容が難しくなってるからな」
「どんな試験内容ですか?」
「2つ目の試験は、実践形式で行う」
そう言って指をならすと、武器やステージなどが現れた。
「このステージ内に恐竜を放つ。そして今出した武器たちで倒せ。しかし、これには危険が伴うので、今ここで辞退するものは申し出ろ!」
「な!?」
「ここまで来て辞退なんて…」
「あ、言い忘れていたが、今から倒してもらう恐竜はレベル3だ。」
「はぁ!?」
「レベル3って、普通の武器ではたおせないんじゃないんですか!?」
「ああ、だからこの武器たちを出した。この武器たちは、全部サルスだ」
サルスとは、一般の武器では倒せない恐竜を倒すために作られた、恐竜討伐専用の武器。
「武器がサルスでも、きついことには変わりないな」
「そして、この試験を受ける者の命の保証はしないからな。それが嫌なら辞退をすすめる」
その言葉に受験生たちが縮こまるなか、俺が声を上げた。
「俺が最初に行きます!」
「いい度胸だ。ただ、その度胸が本物かどうか試させてもらう。武器をとれ、試験を開始する」
俺は、いろいろな武器がある中、刀を選んだ。
「準備おっけいです!」
「試験で倒してもらう恐竜はトリケラトプスだ。それでは、試験開始!」
そして俺の運命の一戦が始まった。
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