終わりの始まり

春川

始まり

 「20XX年、突如として地球の近くに箱舟が現れた。ある人曰く、宇宙に突然穴が開き、そこから箱舟が出てきたと言う。謎の箱舟を捜査すべく、世界中で箱舟を調査する調査員募り、過酷な試験を後合格した者だけが参加できるチーム【WJRT】(世界合同調査団)を作り、世界で共同制作したロケットを用い、箱舟へと送り出した。調査団が箱舟につき、その地に降り立つと、そこは6000万年前に絶滅したはずの恐竜の楽園だった。それにこの箱舟には空気があり、地球の環境に似ていた。そして調査団の一人が一つのパッドを見つけた。それを拾い上げ見てみると、『Welcome to the beginning of the end』と、映っていた。」


______________________________________

「というのが5年前に箱舟へ行った【WJRT】の調査団が残した記録だ。って、おい、起きろ、春陽!」

「ふが!?」

「ふが!?じゃねえんだわ。話聞いてたか?」

「ん~、きいてたきいてた」

「そうか、じゃあさっき言った【WJRT】が発見したパッドに書いてあった英語を日本語に直して答えてみろ」

「え~と…その~」

「ほら、話聞いてない。たく、訓練もほどほどにしとけよ」

「はい、すみません」

 ここは箱舟へ調査しにいく調査団を育てるための学校。そして俺、春陽 優は【WJRT】に入るべくこの学校で訓練をしている。


「よう、いい寝顔だったぜ」

「おまえ、気づいてたなら起こせよな」


 こいつは俺の友人兼ライバルの野川 麗桜だ。こいつとはいつも成績がほぼ同じでこいつがいつも俺の上を行っててうざいんだよなぁ。


「はい、それじゃあ今日はここまで、各自寮に戻るように。あと優!」

「は、はい!」

「訓練は夜10時までだからな、その時間を超えて訓練してたら指導だぞ」

「わかりました」

「入団試験がもうそろそろあるからって無理は禁物だぞ。じゃあ、解散」

 

 はあ、訓練の時間が減ってしまった。最悪だ…入団試験が控えてるのに。


「なあ優、お前ってもうすぐある【WJRT】の入団試験って受けるのか?」

「ああ、何のためにこの学校に通ってると思ってるんだ」

「そっか~、なら俺も受けよっかな?」

「まじ!?それじゃあ一緒に受かって箱舟調査いくぞ!」

「おう!」

「…とは言ったものの、試験っていつだっけ?」

「あ、そういえば先生、もうすぐだとはきいてたけど、実際いつなんだろう」


 お、ちょうどいいところに先生発見!


「先生!聞きそびれてたんですけど、入団試験っていつあるんですか?」

「なにいってんだ?明日に決まってるだろ。そもそも入団試験の日程が書かれている紙を渡したはずだが?」

「あ、あした?」

「お前たち、まさか知らなかったのか!?」

「…こうしちゃいられねぇ、麗桜!今から10時まで訓練ししにいくぞ!」

「おう!」


 そうやって俺たちは訓練所に走りぬけていった。


「…さて、どうなることやら」

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