※読み合い企画からのレビューです
主人公の上忍・サカキは、とある大貴族の娘を殺せと命令を受ける
しかし、その標的は、実は大国であるローシェ王国の姫君で──という導入から始まる本作品は、その時々によってさまざまな顔を見せる色鮮やかな小説だ
時にラブコメ、時にシリアス、時に政治小説の色合いをも見せる
ヒロインである王女・イリアティナには三つの人格があるのだが、まるで本作品を象徴しているかのようだ
登場人物はかなり多いが、皆個性的で魅力のあるキャラクターばかりであり、また登場人物紹介も要所で行われているため、混乱することはさほどないだろう
レビュー者はまだ第一章までしか読破できていないのだが、この時点でレビューを書こうと決めるほど面白い
ここからさらにスケールが大きくなるらしいので、非常に楽しみだ
いろいろな楽しみ方のある作品なので、是非一度手に取ってほしい
本作は、和風と西洋ファンタジーが融合した壮大な物語です。秋津の忍者サカキとローシェ王国の王女イリアティナを軸に、異能や魔法、陰謀が絡み合う展開が丁寧に描かれています。サカキの過去や仲間との絆、敵勢力との緊迫感ある対立など、キャラクターの内面描写が濃密で素敵だと思いました。
一方で、サブイベントが多く本筋が曖昧になり混乱してしまうことがありましたが、難しい設定や用語についても補足エピソードが用意され、読者への配慮が伺え、助かりました。
総じて、広がりのある世界観、スケール感、そして魅力的なキャラクターたちの描写は秀逸で、お勧めできる作品です!
主人公は忍者で、忍者要素多めな作品ですが、舞台は洋風だったり、昔ながらの描写があるかと思えば現代に通ずる部分も多く、様々な要素が満載の面白い設定となっています。それでいてそれぞれが綺麗に折衷されており、読む者を飽きさせません。
また、かなり練り込まれた設定があり、それぞれのキャラクター設定も魅力的な上、だんだんと明かされる謎と、「この登場人物の行動はこういう意味だったんだ……」という一つ一つの伏線回収もとても面白い構成となっています。
皆様におすすめしたい作品ですが、特に忍者が好きな方にはぜひとも読んでいただきたい作品です。
主人公は優秀な忍者、任務のためには非常にもなります。物語序盤、主人公はとある人物の暗殺を請け負い、その任務に赴いていました。
こうして書くと硬派な歴史ものと思いきや、何と主人公が任務に赴いた先は洋風の王国であり、やがて主人公はその国の王女とともに戦うはめになっていきます。
その王女さま、洋風というよりどこか立ち居振る舞いや口調が現代風で、古風な主人公とのギャップが面白いです。さらにちょっとドジなメイド風忍者なんかも登場し、お堅い主人公とのチグハグなやり取りにクスッとさせられたりします。
とはいえ、任務に当たっていた忍者のうち何人も命を落とすというように世界感はあくまでシリアスで、忍術を駆使する忍者たちに白魔法を使う騎士が対抗するなどして戦術のバリエーションもあり、戦国ファンタジーとしても楽しめます。
世界感豊かなファンタジーを求めている方には超おすすめです!
軸は『忍務』に忠実な美しき忍者サカキと、三つの人格を持つローシェ王国の王女・イリアティナの物語
忍が暗躍する和の国、騎士と白魔導士を擁する王国
月と太陽の如く、一見してかけ離れた文化・価値観
そんな国家背景を舞台に、これでもかとばかりに多くの、そして個性的な人物たちが縦横無尽に駆け回ります
ともすれば盛り込みすぎ、駆け足すぎとなりがちなお話に見えますが……
読んでみると、これがまたあら不思議
緩急に富んだ文体、喜怒哀楽に満ちた掛け合い、ここで欲しいというタイミングで過不足なく提示される世界観・知識解説でスルスルと読み込めてしまいます
メインどころから所謂ちょい役まで、各々が物語の見えない部分でまで生きている
それを感じさせてくれる良作ですよ
悪意によって故郷を滅ぼされた忍者が、新天地となった国で活躍する異世界ファンタジー作品です。
里の頭領とでも呼ぶべき人物に任務を託された主人公は、変わらぬ調子でそれを引き受けます。
しかし、内心では疑問が渦巻いており、一部を遂行するのみで、奇妙な任務の是非を問うつもりでした。
けれど、そこから始まったのは激動の歴史。
任務の標的は外国の王女であり、任務そのものは里から主人公を引き離すための陽動であり、任務を託した頭領はすでによく知る人物では無くなっていたのです。
主人公が目指すのは、里を滅ぼした者への復讐と、生き残った同胞を受け入れてくれた王女への恩返し。
彼の望みは叶うのか。ぜひ読んでみてください。
多くの異世界ファンタジーでは騎士や魔法使い,勇者や魔王といったファンタジー世界特有の者達が主役を務めていますが,この作品では何と忍者が主役として物語が進んでいく一風変わった小説となっております。
主人公であるサカキを筆頭に登場する忍者達もとても魅力的で彼等を受け入れてくれたローシェ王国の物凄く濃いキャラクター達も読み進めていくうちに惹かれていくはずです。特にローシェ王国の姫様がとても魅力的です!
また,戦闘だけでなくシリアス場面もありますが,騎士と忍者達が手を取り合うために行われた催しで笑ってしまうようなコメディ回も多数あったります。
是非,皆さんもこちらの異世界忍者という新たなジャンルの小説を楽しみましょう!