玉響の桜〜愛し君へ〜前編

時は戦国時代末期…九州最強と呼ばれた戦国大名・島津家。

当主義久の後継者となる御曹司・島津久保と、後にその正室となる・亀寿姫は九州征伐の人質として共に上洛していた。

二人は惹かれ合い、桜咲く春の日に夫婦となり永遠の愛の約束を交わす。

毎年、必ず一緒に桜を見ようと。


そしてそんな二人と、後に久保の側近となる現代からタイムスリップしてきた一人の青年との出会いによって歴史の歯車が動き出す。


そして迎える天正18年。

久保も従軍することになる小田原征伐が始まる。

二人が離れて迎える二度目の春に、亀寿姫への一通の手紙が届く。

それは陣中の夫・久保からのもの。


それが…全ての始まりだった。

時は流れ戦国の世が終わり、それでも揺らぐことなく固く結ばれていた二人の深い愛の約束。

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