巧みな筆致で描き出される風景は、静謐で、息を呑むほど澄んでいる。ホラーでありながら、どこかつん、と、鼻の奥が痛くなるようなお話です。 それは決して苦しいものではなく、きらきらと空を舞う雪の結晶のようで。 只管に、美しいのです。
雪虫や方言で話す人々など、季節や地域の情緒が自然と伝わってきて、静謐感のある物語をしみじみと堪能できました。 出てくる人(や人ならざるもの)たちも優しくて思いやりに満ちていて、読んだ後でほんのりと心があたたかくなりました。
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しん、と静まった景色、冬に向かう前の冷たくなってきた気温、遅くなった放課後、法の執行者でもあり日常生活の平穏を保つ者、何かが起こりそうな張り詰めた空気の中を温かい心がじわりと沁みるような作者の優しい心が滲むような物語。北の大地の優しい心に触れたい方はぜひ。