幸せな人
「ああ奥様。突然お邪魔してしまい申し訳ございません。私、■■と申します」
あ、あ?あ。
まあ■■さん!お話は主人からかねがね。いらっしゃるならご連絡いただければよかったのに。さあお上がりください。
あなたもお疲れ様。毎日■■さんとお仕事できて、本当羨ましいな。
だって■■さんほど完璧で素敵な人なんていないもの。ええそうね。あなたなんて比じゃない。■■さんに比べたらあなたはゴミ。そうでしょうそうでしょう。
さあ、お召し上がりになって。でも■■さんのお口に合うかどうか…■■さんがいらっしゃるとわかっていたらもっと腕によりをかけた料理をお出しできたんですが。ええ~?十分に美味しい?そんな、■■さんにお褒めいただける価値なんて、この料理にも、私にもないですよ。
ああ、お写真を撮らせてよろしいですか?いいえ!一緒になんてとんでもない!■■さんと一緒に写るなんて恐れ多いので。
あとで■■さんの絵を描きたくて。私、昔はイラストレーション科に通っていたので絵は得意なんです。何枚も何枚も、毎日描きますから。
■■さんの美しさ。素晴らしさ。それをちゃんと表現できるかは、とても不安ですけれど。
はい。その通りだと思います。あなたは誰より美しく、誰より可憐で、そしてとてもとても妖艶です。
ええ、ええ。ありがとうございます。
■■さんの素晴らしさを理解できて、私は本当に、幸せな人間です。
『夫が最近おかしい』から書き出された、とある専業主婦の日記 ぴのこ @sinsekai0219
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