第5話篤郎の気持ち

もう少ししたら違う藩に異動になる。

危ない地だししばらく澪には会えないだろう。

栄転だった為、父は喜んだ。

また、篤郎は大きな屋敷の武士。

親同士が勝手に決めた政略結婚の許婚さえいる。

かいがいしくたまに顔をだす許婚の夏実は美しい。

俺にも許嫁がいた。父には悪いが、断ろう。

美しい許婚を胸の中に思い出ことがあっても何故か心が反応しないのは澪が好きだからだ。

許婚は、篤郎にはキラキラした、姿を見せていた。

申し訳なく思う。


結婚なんてずっと先のことで、深く、考えていなかったけれど、自分の澪への気持ちがはっきりしてしまった。月影に澪を取られたくない。


祭りの日に澪に久し振りにすれ違った。

素直でひたすら人の為に仕事をする澪は神々しく、神に仕えるために生まれたようだった。

控えめすぎる澪に、篤郎はいつの間にか夢中になっていた。

もし可能なら澪を嫁にもらいたい。

もちろん澪次第だが、

神に仕える身だから、きっと断られるかもしれない。

灯篭流しに必ずくる澪にしっかり告白しようと決めた篤郎だった。






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花灯の誓い 清風 颯  @timi7

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